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読書日記:最近読んだ本を一挙に

新しい期が始まって仕事が変わった途端、急激にバタバタしていて本の感想を言う時間も作れずにいました。ついでにパソコンと向かい合う日々のため急激に老眼が進行中
昔の文庫を読むと「なんでこんな小さい活字を読んでたんだろう」と思うことが多いのですが、やはりスマホ、PC時代になって目の老化進行も早くなってるんですかね。出版不況の一番の敵はきっと老眼です。

ということで、最近読んだ本から気になった本をいくつか。

『トリカゴ』

辻堂ゆめさんの作品としては『君といた日の続き』を先に読んでいました。これがハートウォーミングな良い話だったので、また何か読もうと思って手にとったのが評判も高かったこちら。大藪春彦賞受賞作です。
いや、大藪春彦賞、ってのにひっかかるべきだった…ハートウォーミングさは色を潜め、無戸籍ということに真っ向から立ち向かったガチガチの社会派です。この表紙からそんなこと想像できるか!!と思ってしまったほど「トリカゴ」の意味がわかった時には背筋が寒くなります。
ミステリやサスペンスで体験出来る怖さには色々な種類があるけれど、自分たちの日常の隣にある絶望を知ったときの気持ちというのは独特の怖さを持っています。絶望との間にある境界はもしかしたら、非常に儚いものなのかもしれません。

『ちぎれた鎖と光の切れ端』

絶海の孤島に集まった若者たち+殺人犯という定番の設定。面白いのは、読者が「ここにいる全員を殺してやる」という人の存在を知っている事。知っているのにどんどこ自分が手を下さない殺人が起きていくんですよ。

ケータイができ、スマホができという時代の進化にともない、クローズドサークルを創り出すことがどんどん大変になって、そのためにページを割かなきゃいけなくなるのも大変な事だなあ…と、現代を舞台にした密室ものの大変さなんてなことを考えてしまいました。

『鈍色幻視行』

作品のテーマになっている『夜果つるところ』という作中作の方を先に読んでいたのですが、個人的にはそっちのほうを夢中に読みました。こちらの本はその作品に関係する人たちにインタビューして、新解釈や裏側を考えていく本なのですが、空気感がどこか神原恵弥シリーズに似てるな、と思ったのは私だけ?

ある意味、壮大なQ&A小説。そう言われてみたら恩田陸には『Q&A』って小説があったなーと思いだしました。ああいうのもっと書いてほしいな


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