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『星を編む』に一人の存在の大きさを想った

物語が「めでたしめでたし」、と終わった後も登場人物たちの物語が続いている、その世界が続いている。と思えるのが凄い小説なのかな。と考えています。それが”人物が書けている”ということなのかな、と。
とはいえ、実際にその世界の続きを作家が描くこと、続編が出てくるということにはある意味大きなチャレンジだと思うんですよ。だって、本編を読み終わったときに読者に託されて、余韻の中で楽しんだ”これから”を否定することにもなるわけなので。
そんなわけで、実はこの『星を編む』を読む事をちょっと躊躇していました。


説明文には「続編」となっていましたが、「B面」と言った方がしっくりくるかなという内容です。『汝、星のごとく』で主人公たちを支え、ときには愛憎の対象となった人たちの側を描いた物語ですので。
びっくりすることもあったし、納得したところもあります。でもがっかりしたことはありませんでした。たとえ想像と違っていても、そうか、そういう未来だったのか…とすんなり受容れ、語られなければ気づかなかった愛のカタチを知ることができました。

大きな震災のニュースで、死が報じられていくとき「あぁ、一人がいなくなっても世界はなにもなかったようにまわっていくのだな」と、虚無感を覚えます。会社から誰かがやめたときとか人事異動で人がいなくなったときにも似たような事を考えることもあります。
今回『星を編む』が紡いでくれたのは、一人の存在がどれほど多くの人に影響を与えているかという物語でした。一人の命はドミノのように連鎖して次に繋がっているし、たとえ明日同じように日がのぼったとしても、昨日とは違う。そんなことを感じています。


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