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私が夢見るりんご酒のミライ!

今日は私がなぜアップルブランデーやシードル(りんごの果実酒)を作るに至ったか?
そして、どんな未来を夢見ているのかを少し記載してみたいと思います。
ご興味のある方はご一読ください!

 起業までのストーリー

私は青森県を中心としたホテルグループに19年間勤務した経験を活かし、特に冬場に娯楽が少ない青森県で週末にファミリーが楽しめる温浴施設を経営して、潤いのある地域にしたいと思い独立を決意しました。

雪深い地域でも親子で終日楽しめる温浴施設(スーパー銭湯)は、数年で地域No.1の利用者数の施設に成長しました。

津軽おのえ温泉 福家

温浴事業は順調に成長したものの、2020年3月に新型コロナが猛威を振るい、飲食事業なども高い売上だった温泉事業は経営の危機に立たされました。

そこで、新型コロナの影響を受けにくく、青森らしい事業で、なおかつ現状の雇用を維持できる事業を模索する中でりんごの果実酒(シードル)、そして将来的はシードルを原料としたアップルブランデー事業に挑戦しようと決意しました。

青森りんごの強さを生かした事業に挑戦

シードル事業は地域の加工用りんごの仕入価格安定化にも寄与できることと、日本一のりんごの収量、品質の産地から発信する商品であれば全国のお客様も安心していただけると考えました。

なおかつ、自社温泉施設の敷地内に工場を建設させることで、温泉事業スタッフの空き時間を活用して工場の仕込み作業をすることで雇用を維持させ、労働生産性を高めることが可能だと判断しました。

りんご酒事業はスタートからピンチの連続…

このシードル・アップルブランデー事業に挑戦するためには資金調達が必要でした。
そもそも新型コロナで急激な売上減少を受けて、自己資金が一気に目減りし、金融機関からの借入れも運転資金で目いっぱいの状況でした。
そのような矢先、国が「思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援」と記載された事業再構築補助金の資料を目にしました。
 
この事業再構築補助金に賭けてみようと計画を作成し、幸いに第一回目の公募で採択を受けました。
そのあとは、事業実施のための短期借入などで対応しながら、脆弱な資金体制の中でしたが、ようやく工場の完成、酒造製造免許の取得など各種手続きを経て、2022年3月から新規シードル事業「CRAZY CIDER」(クレイジーサイダー)というブランドでスタートを切ったのです。

CRAZY CIDER

ある一つのラッキーから事業は加速した!

まだ新型コロナ禍であったため、首都圏のプロモーションは出来ませんでした。
しかし商品を販売し、既存温泉事業で受けたダメージを酒造事業でカバーしなくてはいけません。
そこで2022年7月に開催された青森県特産品コンクールに出品し、幸いに最高賞の青森県知事賞を受賞することが出来ました!

特産品コンクールで最高賞「青森県知事賞」受賞


受賞のポイントは、食前酒として一般的なシードルを、食事とペアリングしやすいドライセッティングなシードルを開発したことで、食中酒として流通を伸ばし全国に新らしいシードルの文化を作りたいというプレゼンが効果を発揮しました。

この青森県知事賞を受賞してから、一気に青森県内の認知が高まり、販売して3年目の商品ですが青森県ではかなりの認知度の商品となりました。
販売から2年経過した今、1年間に5万本販売されたヒット商品になったのです!

また、2023年秋にようやくブランデー免許を取得することができ、満を持してブランデー製造を開始しました。

この商品も原料はりんごのみで、芳醇で爽やかなりんごのアロマが特徴で2024年1月から販売を開始し、すでに青森県内やオンラインショップを中心に半年で5000本の販売を記録しました。

販売開始時の地元新聞記事


また、ブランデーの販売を記念して実施したCAMP FIREでのクラウドファンディングでは1011名の支援を受け、青森県の民間事業者では最高額の21,352千円を集めました

このアップルブランデーですが、あえて樽仕込みをせずに透明な状態で販売しています。
原料は青森県産りんごのみ、仕込み水は世界遺産白神山地の天然水を使用しています。
この硬度0.2㎎/ℓの天然水は数万年のブナの原生林の腐葉土が天然のろ過装置になり、何十年もの歳月をかけて極めてまろやかな軟水になりアップルブランデーの若さを中和してくれます。 

世界遺産白神山地の恵みの天然水

このブランデーを炭酸で割ってハイボールのように飲むことで、食事の邪魔をしない爽やかなりんごの香りと、後キレのよい飲み口で食事に非常にあうセッティングになりました。

アップルブランデーのソーダ割

今後も高い需要が見込まれ、現在の製造キャパシティの月産1000本では品薄状態になる見込みも立ちました。
そこで来年には製造能力を3倍にすべく、現在は工場増設などの準備に入っています。

そして今年の春から、りんごの実が小さいうちに瓶の中で育てて、秋に瓶の中で大きくなったりんごにブランデーを注いで販売する準備も進めています。
プルドニエル・ポム・ド・イブ(瓶の中にりんごが入ったブランデー)の量産化は、我社が全国初のメーカーとなります。
お子様が生まれたときの記念のプレゼントとして、20歳の成人の日を祝いご家族で乾杯してほしいという願いを込めて丁寧に製造しています。
秋のりんご園にて瓶の中でりんごを育てた光景

瓶の中で成長したりんごの光景
収穫したりんご入りの瓶にアップルブランデーを注いだ光景

2019年から試験栽培を実施し、青森税務署のモニタリングを4年経て、ようやく発売します。
2024年春に300本近隣のりんご園に仕込んでいます。2025年は1000本にチャレンジします。
この光景を見るだけでも、大きな観光コンテンツにもなり、地域の新産業と青森県観光に大きなインパクトを与えることになります。

これからチャレンジしたいこと

青森県産りんごを蒸留したアップルブランデーを軸に日本全国、そして世界の人々に流通を目指します。
青森県産の高品質なりんごを活用し、青森県の恵みである世界自然遺産白神山地の天然水など青森県の宝物を余すことなく商品に投影します。

そして単にお酒を販売するメーカーとしてではなく、青森県の基幹産業であるりんごの未来のためにも私たちは加工用りんごの生産を来年から着手します。

150年培われてきた地域のりんご産業という宝物を、これからの150年先の孫の世代に新しいりんご産業を構築してバトンを渡します。

日本全国のりんごは主に「生食用のりんご栽培」がメインです。生で食べるために通年を通して過酷な肉体労働がなされ、近年は担い手不足が深刻化し、耕作放棄園が急拡大しています。

生食用りんごの収穫は一つ一つ手作業による重労働

私たちはこの耕作放棄園になる園地を、加工用専門りんご園として小人力で、尚且つ機械化とDX化を推進し、新たなりんご栽培を目指します。

ヨーロッパのように多様なりんご生産産地に生まれ変わることで未来の子供たちに、青森県りんご産業を引き継ごうとしています。

ヨーロッパの加工専用りんご園

このようにりんご農業の改革と、6次化させた高品質なブランデーを軸に全国、世界に流通させ地域に新産業を生み出します

そして、世界的なアップルブランデーに育てた上で、たくさんの国内・外国の旅行客をもてなして地域観光のブランド化を推進します。

私たちの事業の社会的な意義

弊社のモデルは持続可能性が高く、加工用りんごを使用して高付加価値な商品に転換させる事業です。

販売開始から半年間で5000本売れた樽仕込みをしていないアップルブランデー「CRAZY DAYS」

また、りんごの搾りかす(全体重量の35%)を、2025年から自社の温泉施設の排熱を活用し乾燥させアップルレザー(ヴィーガンレザー)の開発も進めます。
これにより搾りかすの再生率が100%になり、しかもCO2排出量も極めて低くなりSDGsの観点でも優れています。

りんご酒で青森県発のグローバルカンパニーを目指し青森県の産業をリードします。
また、アップルレザーを成長の第2軸に据えて、青森県内に新たな雇用と産業を創出し成長させます。

そして、青森県から世界のブランデー品評会にエントリーし数年後には受賞を目指します。

私たちは青森県から挑戦することに大きな意義があると感じており、青森県からでも世界を目指せるんだということを地域の子供たちに見せていきたいと思います。

青森県の秋のりんご畑と岩木山

そして、アップルブランデーの名産地青森県を世界中の人が知ることにより、フランスのワイナリー巡りの旅のように世界中からりんご酒蒸留所をめぐる旅をさせ、地域の交流人口の増加で青森県の未来を変革させて見せます。

青森県産りんごで世界を目指します

青森県はカッコいい町だと、子供たちに希望を持ってもらえるようこれからも挑戦し続けます。


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