2021年こそエッセンシャルワーカーとしての介護・福祉業界に光を
2020年度は当たり前が当たり前ではなくなった1年
2020年度も残りわずかとなりました。
新型コロナウイルスにより、上半期(1月〜6月)は失われた半年となりました。
医療や介護従事者をはじめ、農業、小売・販売、通信、公共交通機関など、社会生活を支える仕事、いわゆる"エッセンシャルワーカー(エッセンシャルとは「欠かせない」という意味であり、「生活維持に欠かせない職業」という意味)"の方々が改めてクローズアップされた1年ともいえます。
新型コロナウイルスという見えない脅威に立ち向かい続けた"エッセンシャルワーカー"の皆様に、改めて感謝申し上げます。
現場では、新型コロナ感染に対して、就業自粛をする職員もいるという話を聞きますが、(現場のシフトを組む上では大変ですが…)それはそれで良いのではないかと思います。
最終的に自分がどうしたいかを決めるのは、自分自身であるため、感染リスクに対して、どう自身で立居振る舞うかは職員自身の判断によるものだと思います。
逆説的にいえば、組織として、そのような職員を説得できるような感染対策を徹底して取り組めていたかどうかということは冷静に振り返る必要があると思います。
医療や介護業界だけではなく、社会全体が新しい生活様式を強いられるなか、福祉サービスもそれに準じた形で提供され、2020年度はこれまでの当たり前が当たり前ではなくなった1年になったのではないでしょうか。
医療現場は現在進行形で新型コロナ感染者の対応をなされ、医療崩壊寸前と言われています。
介護業界においても、高齢者の生活を一生懸命支えています。
自分は大丈夫という考え方を捨て、社会全体でどのような行動を取るべきかを一人ひとりが考えることが必要なんだと思います。
新型コロナや大規模災害などへの対応を含め、もう公助はあてにできません。
自助、互助、共助が求められる社会へシフトすることがますます重要になり、加速していく2021年になるのではないでしょうか。
"エッセンシャルワーカー"としての事業継続の準備を
そのような中、令和3年度に介護報酬改定が予定され、全体で0.7%のプラス改定と報道されています。
しかし、財政中立のもと、プラス改定になるサービス種別や加算もあれば、マイナス改定になるものもあります。
年明け早々には、細かい単位数なども公表されると思いますので、その動向はキャッチできるようにしておきましょう。
また、感染症や災害への対応力強化が福祉施設にも課せられる予定です(猶予期間あり)。
個人的には法人をあげて、優先度を高めて取り組んでいただきたいテーマの一つと考えています。
なぜならば、"エッセンシャルワーカー"として、サービス提供をする施設・事業所が機能停止や被災してしまっては、サービスを利用していた方々が不利益を被る可能性が高くなるからです。
福祉施設にも事業継続計画(BCP)の作成が求められる改定は必然であり、今のうちから中核事業(現場における描くとなる事業)を設定し、災害状況に応じた事業継続の"見える化"の準備に取り掛かり、組織に浸透し、日々の避難訓練で実践・検証を繰り返してください。
人の命に直結していますので、"絵に描いた餅"の計画にならないよう、アップデートすることを怠らないでください。
"エッセンシャルワーカー"と呼ばれる皆さんだからこそ、サービス供給の手を緩めず、必要な時に「あってよかった、いてよかった」と言っていただけることが、最高の賞賛の声と思っています。
私自身、介護の現場からは離れてしまったため、人事のように聞こえるかもしれませんが、令和2年7月豪雨で熊本県球磨村の「千寿園」の利用者が犠牲になったニュースに衝撃を受け、今年防災士の資格受験を志しました。
この災害を教訓に、2021年度は「福祉(社会福祉士)✖️防災(防災士)」をキーワードに間接的に関わる機会を積極的に作っていきます(LEGO®️SERIOUS PLAY®️も用いながら、事業継続計画(BCP)の策定に貢献できないか思案中)。
"エッセンシャル"であるからこそ、出来ることを着実に、確実に、継続的に
"エッセンシャル"とは「欠かせない」という意味とお伝えしましたが、福祉従事者も一人間です。
新型コロナの感染リスクに晒されている中、現場ではいろいろなことを思案しながら、出来ることを着実に、確実に進めています。
例えば、施設の面会であれば、直接の面会は制限していますが、Zoomを用いたオンライン面会や窓越しの面会を行っている施設もあります。
保育園であれば、各種行事関係を中止にするだけではなく、クラスごとの入れ替え制やビデオにとって保護者に視聴してもらう時間を取るなど、いろいろな配慮を行いながら、出来るだけ子ども達の成長を保護者と共有できるように取り組んでいます。
"エッセンシャルワーカー"という社会に必要な職種だからこそ、日々、試行錯誤しながらサービス提供の手を緩めるわけにはいかないのです。
だからこそ、組織的な対応力を高めることで、組織風土を醸成し、推進力を高めることにつながります。
以前支援に入っていた法人の関係者から、「組織体制が高まって、利用率などの経営状態が改善したんです」「"(管理人さんだったら)こういうと思う”というのが会議の中の合言葉のように飛び交っていますよw」という言葉を施設長からいただいた時は、本当に嬉しい瞬間でした。
私の一言一言をそれほど大事に受け止めていただき、それが2年間のご支援でしたが、組織の中に残せたのは感慨深いものがあります。
「○○だから出来ない」というのは言い訳でしかありません。
「○○だけど、どうやったらできるだろうか?」と問いかけながら、問題解決に取り組む組織風土を醸成していかなければ、"エッセンシャルワーカー"として施設・事業所は評価されなくなるでしょう。
いかに当たり前のことであっても、継続的に取り組み続けられるか、「あってよかった、いてよかった」につながるかどうかを左右する、最大の経営課題となり得るのです。
2021年度はWithコロナ時代をどのように乗り越えるかが、施設・事業所に大きくのしかかってきます。
介護報酬改定を前に、現状の感染症対策をどのように継続し、利用者が安心感を持って利用し、職員が安全に仕事に従事できる職場を作るか、組織的な対応力を高める3ヶ月に当てていただきたいと思います。
2020年度の最後のNoteの記事となります。
今年もまとまりのない文章をお読みいただき、誠にありがとうございました。
来年も懲りずに、介護や福祉業界に関する記事をアップしていきたいと思います。
来年もよろしくお願い申し上げます。
良いお年をお迎えください🎍
管理人
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