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VRC環境課 ガメザ与太話

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2020年1月の記事一覧

Do not overdo

「...ん...?」 ゆっくりと目を覚ますと3度目だろうか、見覚えのある天井とそこから伸びる宙吊りのレールが視界に入る。 「あー...またか。」 天井に向かってぽつりと呟く。 どうやらヘリに乗り込み、猫又に説教を食らっている途中に事切れたらしい。 既にリクライニングベッドでゆったりとしている上半身を、腹筋の力で起き上げようとすると全身が金縛りにあったが如く硬直し、猛烈な痛みで思わず奥歯を噛み締める。 「ん゛っっっっっっっっぐ!!!!!」 打たれ強さには心底自信が

Contain seeds

気がつくといつの間にか日が昇っても肌寒い季節。 吐いた息が白く膨らみ、金属が冷えるせいで肘の付け根が少しズキズキする。 あれから随分と時間が経った。軽度とは言え、電脳化した恩恵もあってか扱いも"失くす前"と何ら変わらないまでに回復した。しかし、そうは言っても自分の体では無いモノが付いているのだからどうしたって気にはなるものだ。 そんな冷えた手でダイナーのドアノブを握り、扉を開ける。 「いらっしゃいませ。」 「うーさみっ...」 「お一人様でしょうk...なんだまた君か.