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ため息俳句 年頭

能登地方では元日の地震の余震が続いている。
初夢の縁起物は、「一富士二鷹三茄子」というが、「地震雷火事親父」という悪夢に変わった、笑い事でなくだ。
年明けの出鼻をくじかれたというどころか、今年もどうなることやらと暗澹たる気分になった。
なんとなく、眠りも浅く、トイレに二度も起きてしまった。

地揺れて初夢望むべくもなし


被災地の皆さんのご苦労心痛をお察しすることしかできない。


一茶は、こんな句を残す。

世の中をゆりを直すらん日の始 文政句帳 文政7年


そうして、太宰治の「思い出」1933年では、こんな一節が。

「もし戦争が起ったなら。」という題を与えられて、地震雷火事親爺、それ以上に怖い戦争が起ったなら先ず山の中へでも逃げ込もう、逃げるついでに先生をも誘おう、先生も人間、僕も人間、いくさの怖いのは同じであろう、と書いた。