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ため息俳句54 よもぎ

野の道ばたに、公園の片隅に、或いはうち捨てられた廃屋の庭にも、よもぎが薄緑の若葉を広げている。
今年は、よもぎ餅を搗こうと家人はいうが、どうなることやら。
「蓬生」といえば、蓬などが生い茂った荒れた土地を意味するのだそうだ。「蓬生」から末摘花のことを思い出せば、あれは秋のことであったような気がする。

   来ぬ人は今頃きつとよもぎ摘み

   春風や千代に八千代の地獄かな

   春の夜手に手をとりて雪崩たし