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ため息俳句 発熱一過

十三日から咳こみはじめた。翌十四日、体温が朝から三十七度五分を越えて、夜間は三十八度五分前後まで上昇した。昨日もほぼ同様であったが、放っておく訳にも行かず、市販風邪薬の飲みきっていないのがあったので、それを服用した。

朝、薬を飲んで眠ると、ぐっしょりと汗をかいて、三十六度台に下降するが昼飯時には上昇し、食後服薬、眠る、下降。夕飯、服薬、眠る、下降。
そうして、今朝は体温を測ると三十六度八分、かろうじて三十六度台に留まっていたので、床から這い出そうとすると、腰上の背筋がきりきりと痛む。近くに壁を頼りにそろりそろりと立ち上がると、上半身鉛の鱗が生えたかのように、ずしっと重い、いや重く感じる。懈さが身体の隅々まで及んでいて、瞼を開いているにさえやっとのように感じた。

起き抜けの有様はそんなであったが、現在は午後三時前、例の如くアイスバーを一本頂いて、普段の体調の六割程度は戻ってきている。歩行も普段通りの垂直な姿勢に戻った。

おおむね順調な回復であるのは、今日の天候にもきっと影響されている。梅雨晴れの中でも、特上の気持ちよさである。風がやや強くて、そのために部屋の中を吹き抜けて行く。湿り気を感じさせないすっきりとした風である。おかげで随分と助かったようだ。台風一過ならぬ、発熱一過とよろしいだろうか。

熱冷まし汗はかくべし母は云ふ

梅雨風邪かコロナかと妻に問ふ愚

熱解くる北北西の風であり