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記憶のハナシ2

少し自分のことを書くと、記憶力には正直自信があった。小学生くらいの頃から自覚しており、クラスの中でも目立って担任の先生から期待される生徒だった。

ただクラスメイトからはわたしの記憶力が良過ぎて『嘘つき』『気持ち悪い』などと陰口を言われ始めた。
クラスメイトたちと同じ経験をしているのに、誰も私程に細かい情報を覚えていないか、だ。
私はこの経験を経て、あまり他人との違いをひけらかすのはよくないと学び、中学へ上がる頃には上手く周りに擬態できるようになっていた。

しかし生きていく上で記憶力が良いと言うことにデメリットはほぼない。それは社会人になってからも大いに活用出来た。

新卒で入った会社をスキルアップのために四年で辞め、あるベンチャー企業に転職。経営企画部に配属され入社2年目で部の責任者に。さらに社長からは『貴方はまるで私の外付けHDDだね』などと言われ、社長の仕事にも同席させてもらうようになり、毎日忙しいながらも充実した日々を送っていた。

多分、この仕事が自分には向いていたんだと思う。気づけば私はこの社に勤めて10年の月日が過ぎていた。

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