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ツリー構造でディレクション領域・デザイン領域を解説 | 「同人誌表紙デザイン 5案作ってみた!」こぼれ話

「同人誌表紙デザイン 5案作ってみた!」本編・続編の、ディレクション領域・デザイン領域をツリー構造でまとめてみました。

デザイナーにオーダーする際など、「作家さん自身が担当する領域」「デザイナーが担当する領域」の参考になればうれしいです。


↓ 本編

↓ 続編



ツリー構造

(画像はクリックで拡大できます。)


ディレクション領域


プロジェクト大枠の方向性」の領域を指します。同人では主に作家さんが担当している領域です。

  • 読者に伝えたい作品のイメージ

  • 読者層

  • 活動内容

  • 規模

など

この領域の舵取りで、同じ作品であっても「読者に届ける作品の印象・デザインの方向性」が大きく変わります。


● ディレクション領域にかかる5案

  • 物語の印象が異なって見える

  • 読者層が異なる

  • 方向性の振り幅が大きい

絵・タイトル・モチーフ・イメージカラーが同じ」であっても、表紙を見た際に「物語の印象が異なって見える」ことが大きな特徴です。

ディレクション領域」はデザイン領域外のため、デザイナーは関わることが難しいです。

※補足
デザイナーの言う「ディレクション」は、デザイン領域の中の「アートディレクション(美術監修)」を指す場合があるため注意が必要です。「アートディレクション」は、プロジェクト全体の方向性の「ディレクション」とは別物です。


この領域も受け付けているデザイナーはいますが、割合は低い印象です。納期が長くなり、追加料金もかかる傾向にあります。

詳細な情報の提出・打ち合わせ・すり合わせが発生する可能性があり、作家さん自身が方向性を確定するよりも、作家さん・受注者の双方に作業負担が増える傾向にあります。


デザイン領域


デザイナーが担当している領域です。

  • 情報設計

  • ビジュアル表現

など

「ディレクション領域」にかかる案の振り幅に比べ、「デザイン領域」のみの案は「方向性に大きな振り幅がない」ことが見て取れると思います。

  • 作品自体は大方同じように見える

  • 読者層は大幅には変わらない

  • 方向性の振り幅が小さい

デザイン展開を見て、「デザイナーのメイキングでよく見る、複数案の雰囲気だ!」と思った方も少なくないのではないでしょうか。


● デザイン領域のみの3案

(パターン・バリエーション含め8点)
この8点はすべて、「病み系」という大枠の方向性で統一されています。

※補足
デザイナーによっては「7案(+タイトル色変更バリエーション1点)」とカウントする場合もあります。


デザイナーが担当する領域のみで出せる「デザインの振り幅」は、大体これくらいになります。

今回は「イメージカラー:赤」「背景:黒(可能なら)」と指定があり、花も同一の素材を使用したため幅が狭まっていますが、オーダーによってはカラーバリエーションが増えるためもっと印象が変わります。

カラーリング・画像処理 変更例

書体を変更しても印象が変わりますし、イラストレーションの大きさや角度を変えても印象が変わります。

オーダー内容に合わせ、情報やビジュアルの印象をコントロールをして、デザインに落とし込んでいるのが「デザイナー」になります。

例えば、「明るい表情のイラストレーション」と「希望に満ちたタイトル」でも、オーダーが「重々しい復讐劇」であれば、デザイナーはそのようなデザインを施すことが可能です。

そのため、大枠の方向性が確定していなかったり、希望する条件をデザイナーに伝えていない場合、思いがけないデザインが完成してしまうリスクがあります。



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