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エッセイ

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記事一覧

徒然エッセイ│写真を撮る、思い出す

 久しぶりにスマホの写真フォルダを見返していました。朝目を覚まし、ベランダに出て朝日を浴…

水のおと
5か月前
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エッセイ| 名前のこと

 引っ込み思案、内弁慶。友達といると余計なことばかり話すくせして、人前に出ると緊張してう…

水のおと
7か月前
3

エッセイ| 音楽と当時の記憶のこと

 吐息も白い朝、アスファルトをザクザクと踏む。コートのポケットに手を突っ込んで、カイロを…

水のおと
7か月前
4

エッセイ| 友達のこと

雨に降られたみたい。大丈夫、すぐに止むから。少しこの音をきいていよう。雨が止んだら出かけ…

水のおと
7か月前
2

エッセイ| 一袋のポテトチップス

 全部自分のものだったら、どんなに幸せだろうか。袋の前で衝突する手。私よりも少しだけ大き…

水のおと
7か月前
6

エッセイ| 東京と可能性のこと

 道の両脇に所せましと並んだ店。ショーウィンドウに光る洋服やアクセサリー。バンドのライブ…

水のおと
7か月前
3

エッセイ| 田舎で育ったこと

 朝、カーテンから眩い光が零れてくる。窓を開け放てば、一面の緑が風に揺らいでいた。ふっと鼻先をかすめる草木にかかる朝露の香り。花や色づく木の葉を拾っては、季節の移ろいを感じます。澄んだ夜の帳にかかる無数の煌めきは億光年をわたってきた、宇宙の息遣いの様でした。つまり、田舎なのである。くそ田舎なのである。 生活圏にあったのは、スーパーが一軒と魚屋が一軒、それから小学生のたまり場となっている駄菓子屋が一軒。山や木々の緑と海の青に囲まれて、必要最低限のライフラインがあるばかり。最寄