Nコンに夢中になりつつある現状について

タイトルの通りです。何か文章が書きたくなったので書きました。
思い付きで書いてるのでいつも以上に読みにくいです。
ご了承ください。

着火

2015年頃にTwitterでリツイートされてきた「今回のNコンの課題曲が面白い」という旨のツイートがNコンを知ったきっかけでした。

コンビニの棚は空っぽ
おにぎりもサンドイッチも消えている

NHK出版『NHK全国学校音楽コンクール 課題曲集 90回記念 高等学校 混声合唱 第76回~第90回(2009~2023年度)』、NHK出版、2023、97頁

穂村弘さんが作詩された『メイプルシロップ』です。
それまでの合唱曲に対するイメージをいい意味でぶち壊してくれた曲でした。取り憑かれたようにどんな意図が込められているのか、どんな解釈ができるのか作者対談やNコンの特集を読み漁っていました。

その後も頭の片隅には残ってはいましたが、Nコンを追いかけるというところにまでは至りませんでした。

再燃

そんな燻っていた熱が再燃し始めたのは2023年の晩夏でした。
当時は様々なトラブルが積み重っており、少し精神的に参っていた時期でした。休日もあまり出かけられず、本を読むかテレビを見る(刺激の少ないEテレ限定)くらいしかできていませんでした。
そんな時ふと「今のNコンはどんな感じなのだろう」と思い何気なくNコンのHPにアクセスしました。

目に飛び込んできたのは「テーマ:地図」の文字。

正直目を疑いました。これまでを顧みて、これからどうすべきかを考えていた時に、自らのアイデンティティの一部と信じて疑わなかったものがテーマになっていた訳ですから。
しかも地図をモチーフにした詞を書きあげたばかりのタイミングで。

すぐさま課題曲の特設ページに行き、詞を味わい、参考演奏をひたすら聴き続けました。
『緑の虎』、『Chessboard』、『鳥よ空へ』。
歌で創られた「地図」はとても素敵な世界でした。
もちろん地理学を専攻していた人間の贔屓目であることは重々承知しています。けれどもそんな様々な偶然が重なり合ったタイミングで聴いた曲たちは、私にNコンというものを意識させるには十分過ぎました。

そして10月の全国コンクール。リアルタイムで視聴していました。
得られた知見で一番印象的だったのは「同じ曲でも学校によって雰囲気が大きく変わること」でした。至極当たり前のことなのですが、同じ形式でも響きも味わいも違うことが私の目にはとても魅力的に映りました。
この学校はどこかかっちりした印象、こっちの学校は演劇みたいな歌い方……と初心者丸出しの感想しか出てきませんでしたが、とても楽しい時間だったのを覚えています。

ちなみに私が一番好きな演奏は福井の中学校の演奏です。
(以下のリンクは全国コンクールの動画ページです)

合唱としては御法度なのかもしれませんが、各々が思い思いに伸びやかに歌っていてこちらまで楽しさが伝わってくる演奏でした。
(演奏前の解説によると男子生徒が元運動部の助っ人だったり、学校ぐるみで演劇などの催しをやっていたりとなかなかに異色な学校でした)

延焼

どういう訳か全国コンクールが終わっても熱は冷めませんでした。
なんとか冷ますために試しに読めもしない楽譜を買ってみました。

結果は大失敗でした。

ここにも私の知らない世界が広がっていました。
「『初めまして』のmf」などわかりやすい(けど難解な)指示がされていたり、一部の歌詞が自由に選べるようになっていたりと、それまでの楽譜に対してのお堅いイメージを見事に壊されました。
楽譜と一緒に演奏を聴くと新たな発見や解釈が生まれることにも気付いてしまいました。

想像以上に自由で、捉えどころがないものを表現し、読む人を導くという点においては地図に近いものなのだろう。
そう考えると惹かれるのも仕方ないと自分の中で結論付けました。

その後そういった状態だと何気なくnwnwさんに伝えると、ありがたいことにおすすめの課題曲を教えてくれたので過去のコンクールCDを集めて聴くようになりました。どう考えても油を撒いて延焼させる気満々ですよねこれ。

『メイプルシロップ』などは8年近く前のCDなので半ば諦めていたのですが(メーカーHPですら売り切れ表示)、新品を定価で扱っているお店を見つけたのでそこにお世話になっています。

ただこのままでは何だか悔しいので楽譜の読み方の勉強を始めました。
畑違いの分野な上に飽きっぽい性格なので、どこまでやれるかはわかりませんがちょっと違う趣味を始めたと思って気楽にやっていきたいと思います。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。