小山内微熱

散歩をしていたら見たことのない知っている街

小山内微熱

散歩をしていたら見たことのない知っている街

最近の記事

会いたいのさ!

散歩をしていたら 見たことのない知っている街 向こうから響く 電車の音 なめらかに囁く 川の水面 誰もいない道 歩くぼくと 一軒家の外に金魚の水槽 子どものぼくは思う 大人になるのが早すぎた きっともっと… 家屋の隙間の赤い空に 君を想う 一人でいるのは 一緒にいたいから 街を歩くのは 君に会うのとよく似ている 懐かしい匂いに包まれて両手で風をきるとやがて 世界が変わったみたいに 大通り 散歩をしていたら 海が見えてきた 水平線を追いかけて 水平線を

    • もらっていいかな

      遠い空を見ていた。 やけに青くて綺麗で宇宙を感じさせるほど壮大な空。 大きな翼を広げたカモメを見つけて君に、僕もあんな風に自由に空を飛んでみたい、と言った。 自分の悩みなんてちっぽけなものみたいに思えるだろ。 宇宙に生まれた意味をあのカモメは忘れちゃいないだろ。 そしたら君は「カモメにも悩みはあるよ。きっと私たちと同じなんだよ」と、そう言った。 なんだかそう言われて僕もそんな気がした。 さっきより青空が残酷に見えた。 「どうしてみんな頑張らなきゃいけないの?」 君は僕の疑問を

    会いたいのさ!