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オススメの本【宝石商リチャード氏の謎鑑定】

こんにちは。駆け出しイラストレーターのミズです。

今回私がご紹介する本は【宝石商リチャード氏の謎鑑定】です。

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作者 

辻村七子先生

表紙イラスト 

雪広うたこ先生

初刊行 

2015年12月 集英社のオレンジ文庫

宝石商リチャード氏の謎鑑定はどんな作品?

宝石商を営むイギリス人のリチャードが宝石と宝石の知識や歴史などを披露しながら、来店されるお客様の悩みや本心などを解き明かしていくストーリーです。タイトルに「謎鑑定」とありますがガッツリのミステリー作品ではありませんので、お気を付けください。

どんなキャラクター?

リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアン:宝石商。イギリス人。20代。「ジュエリー・エトランジェ」の店主。超絶の美貌の持ち主。日本人よりも流暢な日本語を話す。言語オタクで多言語を操る。ロイヤルミルクティー過激派の甘味大王。

中田正義:有名大学の経済学部に通う大学二年生。リチャードを助けたことがきっかけとなり「エトランジェ」でアルバイトとして働くことに。「エトランジェ」に訪れる様々な国のお客様と接することによって、色々な価値観に触れていく。料理が上手で空手は黒帯。

第一部(全六巻) 

第一部はリチャードと正義の出会いから、宝石店で働く二人の様子が描かれています。そして何故イギリス人のリチャードが遠く離れた国の日本で宝石商として働いているのか、どういう経緯で日本に来たのかが明らかになっていきます。リチャードの過去に触れることで、世界に溢れる様々な問題が浮かび上がってきます。宝石の知識だけでなく宝石の歴史などにも触れていき、様々な人の心の謎を解き明かしてきます。


第二部(全四巻)

第二部は大学を卒業した正義が、スリランカで宝石商見習いとして過ごしているところから描かれています。

そしてある人物の計略によってリチャードが窮地に追い込まれていきます。次々起こる問題をリチャードと正義が解決していきます。物語の舞台はスリランカだけでなく、日本は勿論、アメリカ、フランスにも移っていきます。そして英語やシンハラ語フランス語を習得していく正義の成長も描かれています。

そしてストーリーの見どころとして、リチャードと正義の関係性が変化していく所を上げさせて頂きます。鈍感なのか分かりませんが、リチャードに対しての正義の意識に変化が起こっていきます。腐女子視点で言うとここのポイントは外せません(笑)。


Point

全ての巻に共通しているのが「現実にある様々な問題を扱っている」というところです。

「日本で働く外国人への差別」「白人至上主義問題」「有色人種への差別」「アジア人への差別」「男尊女卑問題」「児童婚」「LGBT」「同性愛」「根強く世界中にある強い父権制」「父権制による女性への被害」「パワハラ」「セクハラ」「母子家庭」「DV」「相続問題」など。

綺麗な宝石のお話だけでなく、世界中に蔓延っている問題を扱っているのでとても読み応えのある作品になっています。私自身の古い知識や認識があったことを、この作品を読むことで知る事がました。ハッと気が付かされたり反省したり・・。本当に良い物語だと思います。

公式ファンブックエトランジェの宝石箱(ジュエリー・ボックス)

歴代の小説の表紙やスペシャルピンナップが収録。書き下ろし3編を含むSSコレクション全26編収録。漫画も掲載(あかつき三日先生)。SSがたっぷり掲載されてるので、こちらも読みごたえのあるものになっています。値段がすこし張りますので、気になった方のみオススメします。

http://orangebunko.shueisha.co.jp/book/4087808890

アニメ 

全12話。リチャード(櫻井孝宏)、中田正義(内田雄馬)、谷本晶子(花澤香菜)、ジェフリー・クレアモント(松風雅也)、ヘンリー・クレアモント(梶裕貴)他。第一部のストーリーを一部分のみアニメ化されています。OP(やなぎなぎさん)とED(Da-iCE)もアニメに合っていてとてもいい曲です。

宝石の話かと思いきや、ワールドワイドで重たいテーマを扱っている小説です。ご興味持たれた方は是非お読みください。ここまでお付き合いくださって有難うございました。

ミズ




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