マガジンのカバー画像

現代語訳『我身にたどる姫君』(第三巻)

53
王朝物語『我身にたどる姫君』の現代語訳です。
運営しているクリエイター

2019年4月の記事一覧

現代語訳『我身にたどる姫君』(第三巻 その13)

 関白邸で数多くの平癒《へいゆ》の祈祷《きとう》を行った効験《こうけん》だろうか、権中納…

たま
5年前
5

現代語訳『我身にたどる姫君』(第三巻 その12)

 中納言の君も、「まったく途方もないことをする、あり得ない心だ」と女三宮の振る舞いを嘆き…

たま
5年前
6

現代語訳『我身にたどる姫君』(第三巻 その11)

 だが、権中納言に衣の裾《すそ》をつかまれただけでなく、あろうことか髪まで引っ張られたた…

たま
5年前
7

現代語訳『我身にたどる姫君』(第三巻 その10)

「やむを得まい。これほどまで嫌われた身ならば、死後に悪評が立っても惜しくはない」  開き…

たま
5年前
6

現代語訳『我身にたどる姫君』(第三巻 その9)

  忘《わす》るとてさて閉《と》ぢむべき夢路《ゆめぢ》かは後の世までも絶えじ逢瀬《あふせ…

たま
5年前
8

現代語訳『我身にたどる姫君』(第三巻 その8)

 とにかくも他の女はまったく眼中にない権中納言は、はたから見ると思慮が足りないように思え…

たま
5年前
7

現代語訳『我身にたどる姫君』(第三巻 その7)

 女三宮はいくら逢瀬《おうせ》を重ねても相手の心が薄情で、疎ましく感じていた。一言の返事もせず、いつものようにつれない態度を取る女三宮に対し、権中納言はこれまで深く自制してきた心を失い、泣く泣く恨み言を訴えた。その熱心な様を見れば岩や木もなびきそうなほどだったが、女三宮は奥州《おうしゅう》の夷《えびす》のように無関心を装い続け、まったく甲斐《かい》がなかった。 「あなたと関わらなければ、このようにひどく気分が悪くなることもなかったでしょう」  ようやく聞くことができたその一言

現代語訳『我身にたどる姫君』(第三巻 その6)

 権中納言《ごんちゅうなごん》は苦境に追い込まれていた。両親からも「本当に気分が悪そうな…

たま
5年前
5