大人って長いんだってよ

私は平成最後の新成人になった。まあ実際のところ、成人式にも行かず振袖も着ず、同窓会にも行ってないただの20歳なのだけど。

SNS越しに地元だった場所の成人式の様子を見た。着飾った同級生達はみんな見違えるようで、もう生きている世界が違うのだなと思った。突き放すようなことを言えば、今お互いに会ったところで趣味も合わないだろうし話も合わない。きっと、12歳だったあのころの親しさはもうない。溝がある、壁がある、私が作ってしまうだろう。

とはいえど、やはり感慨深く思った。
最近一番驚いたのは、幼稚園の頃から知っている幼馴染が入籍した上に妊娠までしていたという事だ。いずれ周りが結婚だのおめでただのする日は来ると思っていたけど、まだ早いだろなんて勝手に思っていたのに。彼氏の有無できゃいきゃい言ってる私たちだと思っていたらこうだ。もうこんな話が上がるほど大人になってしまった。

門限を気にする代わりに終電を気にするようになった。

年齢確認に動じなくなった。

自分たちだけでどこにでも行けるようになった。

パスポートが赤くなった。

お酒もタバコも自由になった。

子供の頃にあった縛りは今となってはもうない。その代わり守ってくれる人がいなくなっただけ。全て自己責任になった、それだけ。きっとそれが大人ってやつなんだろう。

ポカリスウェットのCMが好きだ。安藤サクラが「大人ってなっがいよ～」というアレ。すごく好き。私達はその長い長い「大人」という線路に立った。道を踏み外すかもしれない。回り道をするかもしれない。立ち止まって頭を抱えて、動けなくなるかもしれない。それでも、必ず来る終わりに向けて歩いていかないといけない。

昨日のライブMCでも米津玄師が言っていた。「人生は楽しくないことの方が多いくらいだけど、それでも楽しい人生にしたいね」なんてことを。楽しい人生、そうだね。歩めるなら、最期にそう言って死ねたらいいと思う。

長い長い大人。まだまだある人生。
ままならない事もいつか笑い飛ばせるようになったらいい。こんな文章をつらつら書くような小娘だった頃の私を見て笑ってくれる、そんな大人になりたい。

大人になったものだけど、私ってまだそれでも1年生なのだ。大人って肩書きに縛られないように、転んでもいいから歩いていけますように。

#大人になったものだ #エッセイ