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『BLUE MAN GROUP JAPAN TOUR 2024』の青い夏

前々から行こうと思っていた件をようやく。何だかんだコロナ以後も毎年来日してくれているようだったので「今年こそは」でGO。

ビジュアルのインパクトから名前だけならみんなが知るところになっているけれど、実はパフォーマンスはそこまで知らない。


で、チケットを買った。思い切ってスーパーポンチョ席にしてみる。なんでも、客席にポンチョが備え付けになっているらしい(ちなみにポンチョは終演後、座席に置いていくようアナウンスがあった。そうなんだ)。

スーパーポンチョの上はVIP席というのがあって、これは終演後にブルーマンと一緒に写真が撮れたりする席。根っからのファンであればかなりの特典だと思う。

ただし結構なお値段。そもそもスーパーポンチョも15,000円くらいだし、来日公演ってやっぱり高いよね。土地と費用云々を考えれば妥当とは思うけど(普段からブロードウェイ来日公演とか観ている立場なので文句は言うまい)。


ユニカビジョンを背に、歩道脇で段ボールを座布団に地べたに座り込む若者の群れを通り過ぎ、歌舞伎町タワーへ。トー横の様相は見たことないけど、今は完全に柵で区切られててたむろ出来ないようになってるんだね。久々に来ると歩くゴミ箱みたいな汚さにビビるが、なんだかんだこの辺は劇場でお世話になったこともあるので、変わってたり変わってなかったりするなーと思いつつ。

お初の歌舞伎町タワーへ足を踏み入れる。ネオンギラギラ、サイネージビカビカの内装には正直テンションが上がった。呑まない人間なのでわざわざここでブチ上げにくることは今後もなさそうだが、確かにインバウンドへのウケは良さそう。ブルーマンも何だかマッチしている気がする。

向かいがネオンバリバリの居酒屋のため反射がスゴい

というかこの看板オシャレだな。歌舞伎町タワーの内装をわざわざ取り入れてるのは日本へのアプローチとしてセンスがいい。


そしてTHEATER MILANO-Zaへ。私はお初の箱。いかにもライブ向きだけど、キャパはそんなにデカくないのが以外。タワーの床面積でもコンパクトにライブ出来るように工夫されている気がする。開場時でもう既にかなり中が暗くて、青照明がぐらぐらと舞っているのも既に異世界に誘われている感覚があってドキドキした。

取り敢えず席に置いてあったポンチョを被って待機。ポンチョはペラペラのビニールに穴空けただけの簡素なやつだけど、めちゃ暑い。事前に「蒸れるから薄着で行け!」という情報を入手しておいたおかげで苦しくならずに済んだ。

開演。


詳細は伏せるけど、やっぱり海外アーティストはパフォーマンスが大胆で刺激的だ。ブルーマン自体が鮮烈なビジュアルなのはもちろん、彼らがサイレントパフォーマーなこともあり、視覚的に面白く見れるものが多かった。ビックリ人間みたいなサプライズもあるし、意外と社会的なネタもあったりして、コメディ中心の毛色なので至るところで笑わせてもらった!


ただ一点「これから高いお金を払ってでも観てみたい」という人にちょっとだけ注意点。

スーパーポンチョ席のポンチョ、要らん。

なんなら前方ブロックのVIP席ですら、なんとも言えない座席がある。過去の公演に言及しているブログをいくつか読んだところ、どうやら十数年前の時点ではがっつりペイントが飛んできていたらしい。そらポンチョも要るよな〜と思って臨んだところ、今回はマジで不要だった。

具体的には言わないが、確実に"かかってくる"場面はほんの一瞬のみで、そこのためだけに100分間ポンチョを被って観ている観客はどこか滑稽でもある(いつ来るか分からんのでずっと被っているしかないのだ)。

舞台慣れしている自分としては来日アーティストの公演において前方が確約されている時点である程度の値段は仕方ないと割り切れるが(運営の金額設定の意図はともかく)、ポンチョの意味に期待して15,000円を払った人にとってはかなり拍子抜けの内容だと思う。昔ほど激しいパフォーマンスをやらなくなった理由は様々あるだろうけど、ポンチョは万が一、何なら億が一の保険として用意されているとしか思えず…。

てか海外公演はどうなんだろう。日本人が小うるさいからそうしてしまったのだろうか。いっそ「飛ぶかもしれんから〇〇列目くらいまでは汚れてもいい服で来てね!」みたいにしてもいいのでは。こういうのって割り切って楽しめない側に問題があるとするのも何か違う気はするし、運営が悪いって言うのもどうなのかな、となる微妙なライン…。

4列目でした

あとこれも具体的には言わないけど、潔癖な人は楽しめない。ああいうのをご褒美と取るか被害と取るかはそれこそ観客次第だが、ポンチョであれだけ保険をかけてるのにああいうのは良いんだ!? コロナ禍なら間違いなく公演中止待ったなし。

それ含めて、観客を巻き込んでその場で大胆なパフォーマンスをコミュニケーションに使っていくのは流石としか言えない。リアルタイムで会場全体が作品になっていくのって素晴らしいよね!

とにかく、見応えは充分。ライブ感があるし、子どもの声も結構聞こえたので知名度から見に来る人も多いのだろう。それ故にポンチョ席は「ポンチョはあってもなくてもいいや」くらいの気持ちで行くのが一番良い。あと、何が起きてもいいやって思って欲しい。

ちなみに、観客の巻き込まれのパターンは色々あるけど、後ろの方の席だからと言って油断はしない方がいい。何が起きてもいいと思おう。油断しないで欲しい(二回言う)。

またどこかで


※私は今年度しか観ていないので、年によって恐らく内容は変わっていると思われる。あくまで2024年のざっくりした個人の感想として受け取って欲しい。

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