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生い立ちパズル⑦ piece:嫌なおとな

 小学4年生、5年生の頃は、いろんなものを見ました。経験しました。まあ、その後もですが。

あんな経験が 今はこんな『心の絶景』に繋がるとは思いもしませんでした。

なので、わたしの生い立ち話は しんどそうな事が多いけど 煌めく道へ向かう途中の話です。



当時の祖父母の家にはお風呂がなく、近所の銭湯に通っていました。
そこで、たまに会う近所のおばさんがいたのです。

細かく敏感にいろんなことを感じるわたしの特性は 生まれ持ってのものかもしれないけど、 その反面、楽天的な部分も持っていたので 自然なものと触れ合えば それで気持ちはすぐ落ち着けてたんです。

だけど、このおばさんは…。
そう、このおばさんは…。しつこい…。
こういう人の表情は なんていうんだろう。いつも同じなんです。真実の柔らかな笑顔がない。
いつも同じ表情で ちょっと変な独特な空気感があります。(イメージです)
それでいて 同じ人間というところに 恐怖を感じていました。

大人でも こんな意地悪な人がいるんだ、と思った中のひとりです。結構、いるんです。

銭湯で そのおばさんの姿を見つけると 毎回 胸がぎゅっと締めつけられるようになります。ぞわぞわします。
その人は わたしを見つける度、しかも、わたしがひとりになった時に、すっと寄ってきて、そして、聞くのです。

「お母さんどこいったん?」

これが本当に毎回なんです。

祖母にも この事は話したけど 「知らないって答えといたらいい」と。


今のわたしなら その人に 親としても大人としても、くってかかってるな、と 今なら思います。
祖母は そういうことができる大人ではありませんでした。
なんでも耐え忍ぶタイプ。
祖母のことはわかってます。

祖母の言う通り 聞かれる度 「わからないです」と答えるようにしてました。

それでも
「知らんの?なんで?」
と しつこいですけど…。

他にも意地悪な大人は あちらこちらにいました。

「お母さんどこいったん?」

「家出したん?」

「なんでいないの?」


今 思い返してみても なんであんなことを 子供に聞けるんだろう、と 不思議で仕方ありません。
いまだにいますけどね、そういうぶしつけな質問を 一回も脳を通さず 相手に放つ人。

わたしが知りたいよ。
母に会えず、迎えを待ち続け、どこにいるのか知りたいのはわたしなんだよ。

そういう人に会うと、
見た目やその人たちの声や、いろんな情報が ずっと脳内にこびりついて 苦しかったです。
何かを言いに来る時の動作、すぐわかります。
わたしの触覚です。

でも、自然たちと触れると すぐ忘れられるんです。
有り難い性質です。

祖母は 大変、心配性な人だったけど わたしが そんなふうに言われていても 他人に言い返したりするような人ではなかったし、祖母は祖母の、苦しみの中でいるのは 感じ取っていました。
たまにしか 帰ってこない祖父のことを思っていたのを 子供ながらに知っています。

だから わたしは 祖母を笑わせようとするんです。いろんなことを面白おかしくジェスチャー大きく 楽しそうに話すのです。祖母はお腹痛いって言いながら 大笑いしてました。
そうして 笑ってくれることが わたしの『安心』となっていました。

基本、学校は性質的に合わなかった。
とにかく大勢の中でいると 情報が多すぎるんです。視覚的にも聴覚的にも 脳内の中が忙しすぎて落ち着かない。

しょっ中、原因不明の熱を出し、本当に腹痛で歩けなかったりした。
でも 中には そんなわたしのことを『気持ちが弱いからだ』と言う大人もいた。


「何も知りもしないくせに」と 頭の中で 言い返していた。
でも、時に
「弱いからなのか」と 認めて 自分のすべてを諦めることもあった。

神様は 乗り越えられない壁は与えない」
などという言葉も わたしには響かない。

わたしが癒されていたのは いつも動物たちや自然たちだった。

言葉なんて なんにも響かなかった。
どこか 安全地帯でいながらにして いい顔して いい言葉だけ 伝えられても それは 救けの糸口にならなかった。
行動が必要。
わたしは そう思います。
できないことが多いのも 大人になる過程で知りました。
でも なんとかしようとする、力。
家族でも 先生でも 誰でもいい。
実際 そこから救い出す力。


わたしには 自然たちがそうでした。
気づいたのは 数年前なので 気づくまでの長い時間も 必要だったんだな、と思います。
それもまた自然

何かあって 泣きそうになって学校から帰る時も 家の前で 涙を拭いて 笑顔にする。がんばって笑顔つくって 「ただいまー」って帰宅していた。

だけど、わたしが育っていく環境は 闘うことばかりだったのだ。


だけど 今では どんなことも 自分になるためだったんだ、と感じます。




                                             𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭




※ うまくコメントオフができないので ここからは 開けておきます。🙇‍♀️"

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