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Stanley Turrentine - Look Out! (1960)

本作はブルーノートからリリースされたアルバムのうちスタンリータレンタインの演奏が聴ける初めてのものですが実は録音順ではこれより後にリリースされたジミースミスのMidnight SpecialおよびBack At the Chicken Shackの方が先でした。しかし録音を聴いたアルフレッドライオンの判断で急遽スタンリーのリーダー作を制作し先に販売する事が決定。バックにはスタンリーと同じピッツバーグ出身で名盤Us Threeを吹き込んだばかりのホレスパーラントリオをバックにつけた本作はハードバップながらもどこか泥臭くブルージーな演奏が楽しめます。

メンバー
スタンリータレンタイン:テナーサックス
ホレスパーラン:ピアノ
ジョージタッカー:ベース
アルヘイウッド:ドラム

Look Out
スタンリーの作曲の軽快なサックスが楽しい曲。スタンリーはソウルフルやブルージーといったスタイルのため豪快と言われる事も多いですがその演奏は案外軽やかです。中盤はホレスパーランのソロはスウィンギーながらもほどよくクセがあるスタイルや短いフレーズを何度も繰り返すことでソウルフルな響きをつくっています。

Journey Into Melody
哀愁漂うブルージーなバラードナンバー。ブルージーながらも上品な演奏が印象的です。作曲はロバートファーノン。詳しくはわからないですが映画音楽を多く手がけているようなので映画の挿入歌だと思われます。

Return  Engagement
パーラン作のファンキーな曲でUs Three でも演奏しています。軽やかなサックスに軽快なリズムをぶつける事で親しみやすい曲調になっています。

Little Sheri
アーシーな響きのブルースナンバー。CDではボーナストラックとしてこの曲のシングルバージョンが追加されていますがスリーサウンズやレスマッキャン、ジミースミス等のジュークボックス向けシングルが売れたミュージシャンの曲と共通するノリがあります。主役はスタンリーですがそれ以上にパーランのソロがハードボイルドで最高です。

Tiny Capers
スタンリーのサックスが最高にご機嫌なハードバップナンバー。オリジナルはトランペット奏者のクリフォードブラウン。

Minor Chant
豪快寄りのほど良く重いサックスが渋い一曲。曲調の方はこの頃らしいほどよくソウルフルなハードバップです。中盤のグルーヴィなベースソロが印象的です。スタンリーのオリジナルでBack At the Chicken Shackでも演奏しています。

Little Sheri(45 Version)
ここからはボーナストラックです。シングルバージョンですがアドリブやベースの音が若干違うのでロックやポップスのように編集で短くしたのではなく別演奏だと思われます。

Tin Tin Deo
ディジーガレスピーのバンドにいたキューバ人パーカッション奏者であるチャノポソの曲。ラテンを効かせたリズムにアルバム収録曲では見せなかったとても豪快な演奏を聴かせてくれます。これもジュークボックスやラジオで受けそうな一曲です。

Yesterdays
有名なスタンダードナンバーですがここまでブルージーかつ下世話なYesterdaysは聴いたことがないです。この2人にはなんでもブルージー&ソウルフルにしてしまう力があるようです。