Mercy, Mercy, Mercy
僕の好きな曲の様々なバージョンを紹介する企画第二弾はジョーザヴィヌルが書きキャノンボールアダレイがヒットさせたマーシーマーシーマーシーです。ジャズでありながらもファンキーでR&Bらしさもある曲はビルボードHot100でチャートで11位、R&Bチャートで2位を記録した大ヒット曲です。そうなると多くのミュージシャンにカバーされます。ソロが短くノリがよいということでボーカルを入れたり、逆にソロをたくさんとったり、ギターを入れたりとアレンジは様々ですがどのカバーもノリがよく楽しめること間違いなしの曲ばかりです。
キャノンボールアダレイ
まずはオリジナルから。メインは作者ジョーザヴィヌルのウーリッツァーですがキャノンボールとナット兄弟のファンキーでおおらかなホーンも曲を盛り上げています。
ウィリーボボ
ラテンミュージシャンのウィリーボボもカバー。オリジナルにはなかったギターソロやパーカッション、掛け声を入れてラテンらしいファンキーだけどまったりとしたアレンジをしています。
メイシオパーカー
メイシオは何とニューオリンズのブラスバンドと共演しています。ベースのホーン(チューバかスーザホン)がクセになります。もちろんメイシオのファンキーのサックスもノリノリで聴いているだけで楽しくなってきます。
バディリッチ
スウィング時代から活躍するドラマーがビッグバンドでカバー。シャープなホーンセクションとがかっこいいです。
マリーナショウ
チェスからシングルオンリーでリリース。ギターとボーカルが入っていることを除けばオリジナルとほとんど変わらない演奏ですがジャズではなくソウルです。
バッキンガムズ
5人組のポップロックグループ。低音が強調されたファンキーな演奏がかっこいいです。プロデューサーはジェイムズウィリアムガルシオ。後にB,S&Tやシカゴのプロデューサーを務める人です。そう考えるとビートルズのGot to get you into my lifeと並んでブラスロックの発祥と言えるかも。
ここから紹介する3枚は全て90年代以降リリースかつ未配信です。
ナットアダレイ
95年に自身のクインテットでカバー(タイトル名もMercy, Mercy, Mercyです)。オリジナルよりもテンポを落としてモダンジャズっぽく仕上げています。
ハービーマン
1994年のdeep pocket(邦題ダウンオンザコーナー)に収録。この曲ではハービーではなくリチャードティーが主役と言っても過言ではないくらい素晴らしい演奏です。チャックレイニーとコーネルデュプリーのバックがメロウながらも渋い演奏により深みを作り出しています。ハービーの晩年のアルバムはどれも権利問題でリリースが難しくなっているようなので見つけたら即買いをおすすめします。(逆にもう聴かないのに死蔵してるなら売ってください笑)
スタッフ
2001年の再結成盤に収録されたナウのおまけのライブ音源。コーネルデュプリーの乾いたブルースギターと本作が唯一の参加となったサックス奏者アレックスフォスターのシンプルながらも渋くもファンキーなサックスが印象的です。
作者のジョーはウェザーリポートを結成しますがオフィシャル盤やハーフオフィシャル盤を見る限りそこでは演奏していないようです。マイルスバンド時代に書いたサイレントウェイやディレクションはライブで演奏していたのとは対照的です。実は演奏していることに期待して今後の発掘に期待です。