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Lou Donaldson- Sophisticated Lou (1973)

チャーリーパーカーのウィズストリングスからフュージョンまでストリングスを使ったアルバムは数ありますが本作はその中でも個人的に1番好きな作品です。編曲はウェイドマーカス。スピナーズのIt’a Shameや以前紹介したグラントグリーンのファイナルカムダウンでもいい仕事をしている彼ですが本作でもいい映画音楽のサントラのような美しいけど単なるBGMではなくエモーショナルで映像が目に浮かぶような素晴らしい仕事をしています。僕は映画音楽を聴いて音楽にハマったのでこう言った映画音楽風の作品は少し贔屓してしまいますが多分それを差し引いても十分いいアルバムだと思います。

メンバー
ルードナルドソン:アルトサックス
ジョーファレル、ポールウィンター:フルート、アルトフルート
デレクスミス:ピアノ、エレピ
ジョーヴェヌート:ヴァイブ
ジェイバーリナー:ギター、12弦ギター
リチャードデイヴィス:ベース
グラディテイト:ドラム
ユージンビアンコ:ハープ
オマークレイ:パーカッション

You’ve Changed
ゴージャスかつ上品なアレンジが美しい曲。ジャズだイージーリスニングだという分類がどうでもよくなるくらいの極上の美しさです。ハープやアルトサックスの柔らかい音色が特にいいです。

Stella By Starlight
ルードナルドソンが気に入っている曲のひとつ。リズム隊が同じでストリングスのアレンジも似ているのでCTIっぽいサウンドに仕上がっています。

What Are You Doing The Rest Of Your Life?
ミッシェルルグランの曲。美しく上品ながらもどこか気だるさがあってそこがたまらなく大好きです。

The Long Goodbye
映画音楽で有名な作曲家のジョンウィリアムスがロバートアルトマン監督の同名映画の主題歌として書いた曲。上品ですが途中メキシカンなギターを少し入れたりとウェイドマーカスがサントラなり映画なりをしっかり見聞きしたうえでアレンジしたと思われます。
 脱線しますがオリジナルのサウンドトラックにはデイブグルーシンがキーボードで参加しており気だるい主人公と夜のシーンが多い映像にマッチしたダークなクールジャズで映画を見ていなくても聴いて楽しめるアルバムです。あまり盤の発売がされておらず配信にもないですがとてももったいない。

You’re The Sunshine Of My Life
スティービーワンダーのカバー。グルーヴィなベースと柔らかくメロディを歌うサックスが印象的です。この曲のオリジナルの発表は1972年なので全てを調べたわけではないですがカバーではかなり早い方だと思います。ちなみにThe Long Goodbyeも1972年公開です。

Autum In New York
有名なスタンダードナンバー。端正でスウィンギーなタッチのピアノが印象的です。

Blues Walk
同名のアルバムに入っていた曲のセルフカバー。ストリングスとはミスマッチな曲調ではありますが控えめなアレンジをすることで違和感をあまり感じない仕上がりです。ルーですらあまり長いソロはとっていないのにリチャードデイヴィスの長いベースソロが入ります。

Time Aferer Time
前半4曲が終わるとジャズよりの曲が続きましたが最後にまた美しい曲が入ります。メトロノーム入りのイントロが少し珍しいです。