Irakere - Chekere Son (1979)
イラケレはキューバ最高のフュージョングループです。アメリカとキューバというと仲の悪い国ですがラテンジャズがニューヨーク在住のキューバ系ミュージシャンの貢献は無視できないですしラテン音楽=キューバ音楽という時代もあったようにアメリカの音楽におけるキューバの存在は無視できないものがあります。一方のキューバもまたアメリカ生まれのジャズやサルサの影響を受けていると切っても切り離せない関係にあったようです。このイラケレもキューバ風の曲もあればアメリカのフュージョンのようなファンキーな曲やサルサっぽい曲、サンタナのようなラテンロックもやります。本作は日本のビクターがキューバで録音した作品で翌年には両国の一時的な関係改善のおかげかCBSからニューヨーク録音のアルバムをリリースしています。
メンバー
チューチョバルデス:キーボード
アルトゥールサンドバール、ホルヘバローナ:トランペット、バルブトロンボーン、パーカッション
パキートデリベーラ:アルト、ソプラノ、バリトンサックス、クラリネット、フルート
カルロスアベロフ:テナー、ソプラノサックス、バスクラリネット、フルート
カルロスエミリオモラーレス:ギター、アルトサックス、フリューゲルホルン
カルロスデルプエルト:チューバ、エレキベース
エンリーケプラー:ドラム
オスカールバルデス:ボーカル、パーカッション
ホルヘアルフォンス、アルマンドクエルポ:パーカッション
Chekere Son
ディスコ風のベースとパーカッション乱れ打ちにバリトンサックスとフルートがフロントとなりビバップのスタンダードBille's Bounce風のフレーズも飛び出るイントロ、そのあとのラテン+アフロビートみたいなサウンドやノリに圧倒される中盤、ラテンディスコ風の後半と初めから最後までかっこいい一曲です。
Quince Minutos
レイドバックしたバラードナンバー。スペイン語圏の南米特有の甘さが印象的です
La Samilla
タイトルは種でマラカスの意味です。ミディアムテンポの明るい一曲です。熱気のある各種ホーンソロやオルゴール風のエレピソロなど技術と遊び心が感じられます。
La Comparsa
エルネストレクオーナというキューバのピアニストの作品。グルーヴィなベースラインとタイトな打楽器、ソフトなホーン、メロウなキーボードとかなりモダンな演奏です。
Camaguey
グルーヴィなジャズっぽい演奏にのっておおらかなボーカルがのります。
Cha Cha Cha
チャチャチャというリズムを使ったスローナンバー。穏やかながらもグルーヴィなベースが印象的です。