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笠井紀美子 - Round And Round (1978)

ジャズシンガーとしてデビューした笠井さんですがこの頃(70s後半)はフュージョンやR&B系の歌を歌うことが多くなりました。本作もクインシージョーンズやマリーナショウといったジャズからソウル寄りのフュージョンに転向したミュージシャンによく歌われたベアードアイグナーやハービーハンコックの曲を録音したりとディスコやフィリーソウルっぽいフュージョンサウンド。それにしてもここまで豪華なメンバーをバックに歌う笠井さんの気力もプロデューサーの企画力もすごいです。

メンバー
グレッグリーヴィス、シダーウォルトン(4,8):エレピ
ハービーハンコック:シンセサイザー(5)
デイルウォーレン(5,8):ピアノ、パーカッション、ヴァイブ
デイヴィッドプルイット(3,6,7)、グレッグクロケット(4,5,8)、グレッグポレー(5,6)、ブラックバードマックナイト(5):ギター
ポールジャクソン(2,3,4,5)、ロメオウィリアムス(2,3,5,8):ベース
ケニーエリオット(5,8)マイククラーク(5):ドラム
ベニーモウピン(5):テナーサックス
アナニアスチェンバース、ビルサマーズ:パーカッション
ウィーターズ:バッキングボーカル

And It All Goes ‘Round And ‘Round
ディスコビートのアップテンポナンバー。BNLAのアルバムに多数参加したウォーターズの力強いコーラスが印象的です。

Don’t Forget You Are
限りなくソウルに近いメロウなバラードナンバー。少しトムベルが作ったフィリーっぽいサウンドです。

Nothin’ But You
モータウンやフィリーが作ったディスコ対応のソウルナンバーっぽい曲。ポールジャクソンのしなやかでありつつ聴き手を踊らせるベースがかっこいいです。

Stardust
本作唯一のスタンダードナンバー。メロウなストリングスと少しラテンっぽいリズムとホーンをバックにジャジーに歌っています。しかし完全にオーソドックスなジャズというわけではなくギターやホーンはモダンなサウンドです。

Chameleon
ハービーハンコックのカバーで本人はもちろん、ヘッドハンターズが全員参加しています。ボーカルはもちろん、テナーサックスもオリジナルとは違ったサウンドで印象は大分異なります。翌年には全曲をハービーハンコック(とヘッドハンターズ)と演奏したアルバムを作っていますがこれがきっかけなのかもしれません。

The Rest Of My Life
メロウなサウンドが美しいバラードナンバー。個人的にはこのアルバムで1番好きな曲です

Chain Reaction
クルセイダーズのカバー。ただオリジナルよりもSEを使ってジャングルっぽいサウンドにしたりアタックの強い演奏なので聴いてもわからなかったです。

Everything Must Change
クインシージョーンズ、ニーナシモン、ジョージベンソンを始め多くのミュージシャンのカバーしたベアードアイグナーの曲。メロウながらも切なさや儚さを感じます。