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Miles Davis. On the corner (1972)

音楽を聴いていて不気味という思うことはあまりありませんがこのアルバムに関しては恐ろしく不気味に思えました。同時にその不気味さに引き込まれるように夢中になっていきました。もう何がなんだかわからない構成、どの音がどの楽器から出ているのかわからないサウンド、あってないような曲の切れ目。音に見合わないポップなジャケット。魔力を感じる一枚です。

オリジナルバージョン。勇気と時間のある人はコンプリート盤を聴いてみてください

メンバー
マイルスデイヴィス:トランペット
ベニーモウピン:バスクラリネット
デイヴィッドリーブマン:ソプラノサックス
カルロスガーネット:ソプラノ、テナーサックス
ポールバックマスター:チェロ
ドンアライアス:コンガ
ジャックディジョネット:ドラム
ビリーハート:ドラム、パーカッション、カウベル
マイケルヘンダーソン:ベース
ハービーハンコック、ハロルドウィリアムス、チックコリア:エレピ、ピアノ、オルガン、シンセサイザー
デイヴィッドクレイマー、ジョンマクラフリン:ギター
エムトゥーメイ:パーカッション
コリンウォルコット、カラルバラクリシュナ:シタール
バダルロイ:タブラ

アウトテイクを収めたボックスセットにはコーネルデュプリーやバーナードパーディ、ビリープレストンといった名前もあります。さらに過去のメンバーをたくさん呼び戻しているのでCTIでファンクよりのセッションをしていたロンカーターやビリーコブハム、ファンクに傾きつつあったウェザーリポートからジョーザヴィヌルやウェインショーター、一瞬だけマイルスバンドにいたアイアートも参加していたかもしれません。さらに有名無名問わずスタジオに呼ばれていたようなのでまともに演奏する前にクビにされたミュージシャンもたくさんいたに違いありません。

On the corner / New York girl / thinkin’ of one thing and doin’ another / Vote for miles
タイトル上はメドレーですが実質20分の長い一曲です。ワウをかけた軋むようなサウンドのトランペット、リズムの間を縫うようなサックス、不思議なところで鳴らされるバスドラム。5分頃からギター、6分ごろからエレピの音がしますが一瞬でごちゃごちゃした音に飲み込まれていきます。7分頃には機械音のような規則的なベースの短音が入ります。11分頃ベース音が小さくなりエレピ、いかにもマクラフリンらしいギターがソロをとり、それと同時にもシンセサイザーも奇妙なソロをとります。14分からシンセサイザーがうねり初め17分頃から初めと似た音になり18分でパーカッション、オルガン、シタールだけになって最後はタブラとシタールとドラムで終わりです。

Black satin
最初の30秒はシタール、タブラ、クイーカが印象的なエキゾチックな展開でそこから一転マイケルの重たいベースの上で拍手や鈴、ホーンが不規則なようで規則的に鳴っています。短く、このアルバムの要素を凝縮したような曲なので試しに一曲聴くならこの曲がおすすめです。曲の終わりは再びエキゾチックなサウンドです。

One and one
ワウをかけた何かとシンバルのリフが印象的なイントロから始まります。この曲も鈴が使われていますがこの音がかなりクセになります。さっきはBlack satinがおすすめと書きましたがインド音楽が苦手ならこっちのほうがおすすめです。

Helen Butte / Mr. Freedom X
この曲も二曲のメドレーとなっていますが例によって実質一曲です。(23分は長すぎます)軽いドラムパターンと重たいベース、ワウをかけたシンセベース?が作る複雑なリズムをメインにたまにエレピやトランペットがちょっと出てきてはまた消える。ずっとそんな感じです。8分頃にギターが出てくるけどオーソドックスなジャズギターっぽいので逆に変な感じです。12分頃からシンセサイザーのサイレン音が入りそれがフェードアウトするとすぐにマイルスのソロが入ります。17分頃にシタールが入り18分半で神秘的なオルガンとシンセサイザーのサイレン音とシタールが入ります。(もう訳がわからないです。)じっくり聴いていてここら辺までくると頭が溶けかけてきます笑。最後はコルトレーン風のサックス、タブラとシタールのインドサウンドで終わりと思わせてもう一回あの音に戻って終わりです