More today than yesterday

More today than yesterday はカリフォルニア出身のポップロックバンドのスパイラルステアケースが1969年に発表した曲です。僕の好きなミュージシャンがカバーしているのでいろいろ紹介します。

オリジナル

まずはオリジナルから。モータウンサウンド+ポップロックといったサウンドでソフトロックファンはもちろんソウルファンやモッドにも刺さりそうな一曲。明るく幸せいっぱいなサウンドと歌詞ですがリックアプトンの鼻にかかったリードボーカルがちょっと切なげにも聴こえるのが印象的です。作者はリック。こんな素晴らしい曲を出したのにスパイラルステアケースはすぐ解散し、彼のソロキャリアもリリースしたレコードの枚数やチャートだけを見れば上手くいったとはいえません。ここら辺は音楽業界で生き残っていく厳しさを感じます。

ソウルでカバーしている人は女性シンガーの多いイメージです

kiki dee
この人のことは詳しくは分かりませんが70sモータウンから選曲したフリーソウルのコンピ盤に収録されていました。この時代らしい軽やかなメロウソウルながらもグルーヴィなベースやほんのりアフロキューバン風味のホーンセクション(特にイントロ)がいいアクセントになっています。僕がこの曲を初めて聴いたのがこの人のバージョンだったりします。

パティオースティン
エリックゲイルの本場仕込みのリズムギターを始めレゲエっぽいタッチのリズムです。途中のサックスソロはマイケルブレッカー。ソウル系のセッションに参加した時の彼らしい豪快ながらも正確さもあるプレイがかっこいいです。

ジャズファンク、レアグルーヴ界でも人気の一曲です。続けて3人紹介します。

チャールズアーランド

レアグルーヴのディスクガイドには必ず載っているイメージのある一枚です。オリジナルのメロディはそのままアーシーでスモーキーなサウンドに作り変えています。ドラムはアイドリスムハマッドです。

グラントグリーン

1971のライブ音源。(リリースは2006年) つんのめるようなオルガンリフからスタート。(弾いているのはロニーフォスター)メロディは弾くのはグラントですがオリジナルのメロディを生かしつつも彼らしいタッチでスウィンギーに弾いています。ここでもドラムはアイドリスが叩いています。ポップソングをここまでファンキー&スウィンギーにできるのは流石です。 

シャーリースコット

女性オルガン奏者シャーリースコットのバージョンにはShirley Scott & the soul saxesというアルバムタイトル通りキングカーティス、ハンククロフォード、デイヴィッド“ファットヘッド”ニューマンというホンカーが3人も参加しています。さらにリチャードティー、エリックゲイル、チャックレイニー、バーナードパーディー(この曲はジミージョンソン)という外れることのないメンバーがそろっています。