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Kenny Burrell . Guitar Forms(1965)

ジャズ界一ブルースなプレイをするミュージシャンのケニーバレルですが本作ではギルエヴァンス指揮のビッグバンドををバックに王道のジャズやスペイン音楽、ラテン音楽を披露し、一曲ではなんとアコギソロも披露しています。邦題の「ケニーバレルの全貌」というタイトルにふさわしい一枚です。

メンバー
ケニーバレル:ギター
ギルエヴァンス:指揮、アレンジ
ロジャーケラウェイ:ピアノ(1、3、9)
ジョーベンジャミン(1、3、9)、ロンカーター:ベース
グラディテイト(1、3、9)エルヴィンジョーンズ:ドラム
ウィリーロドリゲス:パーカッション(1、3、9)

Downstairs
シカゴブルース風の一曲。この曲に関してはブルーススタイルのジャズではなくジャジーなブルースみたいな音です。作曲はドラマーでギターも弾くエルヴィンジョーンズ。

Loutus Land
イギリスの作曲家シリルスコットが作曲したナンバーをスパニッシュタッチのアコギで披露。マイルスのアランフェス協奏曲のようなマーチのようなリズム、エキゾチックでどこか哀愁のあるサウンドが印象的です。

Terrace Theme
僕が好きなピアノトリオ+ギター+パーカッション編成で演奏されるほんのりラテン風味のブルースナンバー。

Expect From “Prelude #2”
ギターソロでジャズ、フォーク、クラシック、カントリーブルースをミックスした美しい一曲。作曲はジョージガーシュウィンです

Moon And Sand
ボサノヴァやラテンタッチのリズムがかっこいいナンバー。スペイン音楽やボサノヴァタッチのギターとそれを包むような柔らかオーケストラアレンジが印象的です。

Loie
アコギを使ったエキゾチックなプレイが異色なナンバー。エルヴィンとロンのグルーヴィなリズムがかっこいいです。

Greensleeves
イントロのアコギソロがジョーパスっぽいですがリズム隊やオーケストラが加わるとエレキに持ち替えていつものスタイルで演奏しています。この曲は同じくヴァーブからリリースされたジミースミスとの共演盤にも収録されているので聴き比べてもおもしろそうです。

Last Night When We Were Young
美しくも幻想的でどこか哀愁を感じるバラードナンバー。オーケストラによるイントロからケニーのソロ、両者の共演という構成が面白いです。

Breadwinner
スモールコンボによるアップテンポのブルースナンバー。全員張り切った演奏をしていてかっこいいです。

参考文献
小川隆夫著 ジャズ超名盤研究3  シンコーミュージックエンタテインメント(2020)