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オルガンでサンバできるよWalter Wanderley Rain Forest (1966)

オルガン奏者というとアメリカのジャズやソウル系のミュージシャンかイギリスのワイルドなビートバンド、ハードロック系のミュージシャンを思い浮かべる人が多いはずです。しかし本作のリーダーであるウォルターワンダレイはブラジル出身です。しかもこの時代のブラジルのミュージシャンでアメリカでも活動した人というのは大体リオで育った人ですが彼はサンパウロ出身。かなり異色のミュージシャンです。彼のオルガンはハモンドB3と比べると少しチープなサウンドですが時に軽い音を活かしてクールに、時にサンバの熱気を1人で再現したようなコテコテにと英米の著名なオルガン奏者とはまた違ったプレイが楽しめる一枚です。

メンバー
ウォルターワンダレイ:オルガン
ボビーローゼンガーデン:パーカッション
ジョーグリム:フルート
アービーグリーン:トロンボーン
バッキーピザレリ:ギター

Summer Samba
マルコスヴァーリのカバー。チープで軽い音色ですがそこがボサノヴァのリズムやポップなメロディにマッチしています。

It’s Easy To Say Goodbye
アフロキューバンっぽい陽気なアレンジが楽しい曲。

Cried, Cried
この曲もアフロキューバンっぽいアレンジの陽気なナンバー。こちらの方がコテコテとしたオルガンプレイです。イントロでホーンが「ダバダババ…」って歌っているのが面白いです。

Rain
ここではアコピがメインでオルガンはロングトーンによる伴奏とベースを弾いています。美しいピアノプレイですがオルガンとピアノをウォルターが1人で同時に弾いているのか別人が弾いているのか気になります

Girl From Ipanema
シャキッとしたアレンジの一曲。ここのイパネマの娘は胸を張って堂々と歩いています。

Beloved Melancholy
メランコリーというにはコテコテすぎるプレイがかっこいい一曲。

Taste Of Sadness
悲しさが全く感じられない陽気なナンバー。イントロで使われるクイーカやクランチサウンドのギター、フルートと続くソロがかっこいいです。

Beach Samba
海岸でまったりしているような穏やかなナンバー。

Call Me
ハイハットの軽快なリズムがかっこいい曲。

Cry Out Your Suddness
ヴァイブの音が涼しげな曲。オルガンでは珍しい鍵盤の上をスライドさせる弾き方が印象的です。

The Great Love
クールなサウンドが印象的な曲。1番正統派のボサノヴァらしいサウンドです。

Song For Jat
ロングトーンの揺らいだ音が印象的な曲。いろんな奏法を試していてジャズとして聴くにはこれが1番面白いかも