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Quincy Jones - Big Band Bossa Nova (1962)

60年代のクインシージョーンズは最高です。分厚く音圧強めのホーンセクションにハイトーンのトランペット。多少の体調不良も眠くて起きたくない朝もこれさえ聴けばだるさや眠気なんて吹き飛んでしまいます。本作タイトルにボサノヴァとありボサノヴァのカバーもありますがはっきり言ってボサノヴァではなくいつものファンキー&パワフルでほんのりラウンジーなクインシーサウンドに少しサンバのリズムをミックスした音。でも60年代クインシーのパンチのあるホーンを楽しむにはぴったりの一枚です。

メンバー
クインシージョーンズ:指揮、アレンジ
フィルウッズ:アルトサックス
ポールゴンザルベス:テナーサックス
ローランドカーク:フルート、アルトフルート
ジェロームリチャードソン:フルート、アルトフルート
クラークテリー:トランペット、フリューゲルホルン
ジュリアスワトキンス:フレンチホルン
アランラフ:ベーストロンボーン
ラロシフリン:ピアノ
ジムホール:ギター
クリスホワイト:ベース
ルディコリンズ:ドラム
カルロスゴメス、ジャックデルリオ、ホセポーラ:パーカッション

Soul Bossa Nova
ローランドカークのフルートや声、そしてクイーカがユーモラスな一曲。威勢のいいホーンセクションも加わりどこがボサノヴァなのかはわからないけどソウルフルで痛快な一曲。映画オースティンパワーズで使われたりテレビやラジオ番組やCM(今ソフトバンクのCMで使われていますね)ではユーモラスなBGMといえばこれというくらいなので日本で1番有名なジャズの曲は間違いなくこれだと思います。それにしてもローランドカークをサイドマンとして使うあたりクインシーの人脈の凄さを感じます。

Boogie Bossa Nova
サンバ長のリズムがカラフルな曲。ソロ回しやミステリアスなホーンセクションによるメロディなどブギでもボサノヴァでもない不思議な世界感です。作曲はチャールズミンガス。少し意外な人です。

Desafinado (Slightly Out Of Tune)
ようやくブラジルの曲のカバーです。ボサノヴァっぽいリズムですがホーンセクションのアレンジは陽気だけどジャズ的なクセや原曲由来の影もあるクインシーの技がさえる編曲が最高です。

Black Orheus(Manha De Carnaval)
映画音楽か演歌の間奏のようなムーディーなバラードナンバー。ホーンセクションがバッキングなのにうるさくないアレンジはさすがクインシーです。

Se E Tarde Me Perdoa ( Forgive Me If I’m Late)
再びフルートが活躍する一曲。こちらはクセのない演奏なのでカークではなくジェロームリチャードソンだと思われます。その後にソロを継ぐラロのガンガンとしたリズムながらも優雅さも持ち合わせたピアノが印象的です。

On The Street Where You Live
サンバの陽気で忙しないリズムにカウントベイシー楽団のようなダイナミックなホーンセクションが加わった明るい気分になること間違いなしの一曲。

Samba Dem Uma  Nota So(One Note Samba)
とにかくダイナミックさだけで押し切るような威勢のいいホーンがかっこいい一曲。こんなダイナミックなワンノートサンバは他には絶対ないはずです

Lalo Bossa Nova
ラロシフリンの名を冠した曲でボサノヴァっぽいのはリズムだけな曲が多いなかジムホールがボサノヴァっぽいギターソロを披露しています。ホーンは相変わらず元気いいですがほんのりクラシック風の音なのはクラシックの経験もあるラロシフリンが編曲しているからかも

Serenata
哀愁あるフルートが印象的なバラードナンバー。続くギターやサックスも哀愁いっぱいで1番ボサノヴァっぽい曲です。

Chage De Saudade
ほどよく上品なアレンジのホーンセクションが楽しい一曲。