Stuff. Live at Montreux 1976
今日はスタッフ唯一の映像作品であるライブアットモントルーを紹介します。この時まだレコードをリリースしていなかったスタッフ。客席は盛り上がってはいるもののよそよそしさというかアウェイ感のようなものがあります。そんな中MCや派手なパフォーマンスはなしでほぼノンストップでグルーヴするスタッフは職人のような雰囲気があります。
当たり前ですが音を聴くだけよりも実際に演奏しているところを見ると発見があったりするのでそこんところをまとめていきたいと思います。なおメンバーは右からエリック、コーネル、スティーブ、ゴードン、リチャードです。
Foots
あっさりしたMCからスタート。表情豊かでキョロキョロしたりリズムに合わせて体を揺らしながらラフに腕を振るように指で弾くコーネルと、表情をピクリとも変えず棒立ちしたまま慎重な手つきでピックを使って弾くエリックの対比が面白いです。
Signed, sealed, deliverred I’m yours
二曲目にして早くも代表曲を演奏。ゴードンが坊主頭で体をスウィングさせながらグルーヴィなベースを弾いています。(彼だけ椅子に座っているところに音からはわからないスタッフのリーダーがゴードンであることがよく分かります。)
The gadd solo
タイトル通りスティーブのソロ。序盤はベーシックなプレイですが段々とヒートアップしていき途中からは表情もプレイも何かに取り憑かれたような感じです。
Stuff’s stuff
ガッドのソロのリズムで始まる曲。エリックのギターがかっこいいです(エリックの方がかっちりとした音でコーネルは軽くラフでブルージーな音な気がしますが正直はっきりとは分かりらないです)そしてゴードンは椅子から立ち上がります。
That’s the way of the world
アースのカバーでリチャードの持ち歌。リチャードのゴスペル風のピアノをたくさん使った曲です。(リチャードの顔のアップが映りますが汗びっしょりです。)クラヴィネットかワウっぽい音がしますがクラヴィネットはもちろんエフェクターも見当たりません。オーヴァーダブでしょうか?
Feelin’ alright
唯一のロックのカバーでオリジナルはデイブメイスン。この曲はソウル、フュージョンではよくカバーされる曲ですがスタッフがカバーしていたのは初知りです。途中一瞬だけ映る時のゴードンの低音がでる上の弦を使ったどっしりとしたスラップになるギリギリのベースがかっこいいです。
Lift every voice and sing ~ Oh happy day
前半はアメリカ黒人国歌という古い曲。後半はゴスペルのスタンダードでリチャードの力強いピアノとエリックのギターが印象的です。さらにOh happy dayはオデッタという歌手が参加したりゴードンがベースを弾くのをやめたりと変わったスタイルの曲です。オデッタはエリックにちょっかいかけたり(エリック思わず笑ってます)ゴードンやリチャードの顔にマイクを近づけたり(二人とも歌うからデュエットを申し込んだのでしょうか?)してちょっと面白いです。
How long will it last
スタッフと言えば涙届けてとこれです。ノリノリのゴードンのベースがめちゃくちゃグルーヴィでかっこいい!スティーブは相変わらず取り憑かれたようなプレイです。最後にちょっとだけアイズレーブラザーズのIt’s your thingをプレイしておしまいです。(映像だと同じトラックですがCD、配信だと別トラックになってます)
You’re so beautiful
ここからは熱い声援に応えてアンコールです。リチャードの美しいピアノソロから始まり、静かなドラムと繊細なギターが加わります。スタッフと言えば全員が一体となったグルーヴィな演奏もいいですがこういった美しいバラードも最高です。(ゴードンは再び座り、コーネルは眼鏡を外して再登場します)
Boogie on reggae woman
スティービーワンダーのカバー。ジャマイカでレゲエのプレイ経験のあるエリックがいるからかオリジナルよりも本場のレゲエっぽいです。
Do it again
長めのドラムソロからのスタート。派手に体を揺らしながらゴードンがベースを弾き始めるとそれを合図にいつもの全員が一体となったグルーヴが始まります。これで本当におしまいです。