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城ヶ﨑 悟展 「いろのたより」

みぞえ画廊 福岡店では4月6日(土)~4月21日(日)まで
城ヶ﨑 悟 展 「いろのたより」を開催いたしました。

会場はみぞえ画廊 福岡店新館

2021年の個展「こころという空に」以来、3年ぶりの新作展でした。

「本展の主役は『いろ』です」、と語られた城ヶ﨑先生。
その言葉通り、試し、悩み、吟味して創作された「いろ」が、
会場でお披露目されました。


2024年の新作を中心に・・・


約30点の作品を展示

「いろ」へのこだわり

城ヶ﨑先生は、「いろ」をつくるのに時間をかけられます。
個展の締め切りとにらめっこをされている奥様から、
「早く!」と叱咤激励を受けられるほどに・・・

「色の調合にいちばん時間をかける。
同じ絵具に少し白を混ぜるのと、他の色を混ぜるだけでも
全然違う色になる。
自分が納得する色をつくるのが一番大変。」
とおっしゃっていました。
一般人には「微差」にしか見えなくても、画家にとっては「大差」。
まさに「美は細部に宿る」んです。

「樹間の街」F30号

遠目にはグレイッシュな空も・・・

一部を拡大

ブルー系、グリーン系、ピンク系・・・
さまざまな色が混ざり合い、城ヶ﨑先生ならではの「空」が表現されています。
夜明けなのか、夕暮れなのか、薄曇りの日なのか・・・、いろんな想像が広がります。

「なにげない一日」 変形15号  

 

一部を拡大 おなじみの白い鳥も!

夜空も、漆黒の冷たい感じはなく、先生の独特のマチエールとも相まって、どこか暖かみを感じます。

いろいろな表情のこどもたち

また、今回の個展では、「人物画」が多く発表されました。

「ほおばるかお」 変形6号
「エメラルドの夢」変形4号
「さくら貝の舟」 F10号

「人物画」といっても、描かれているのはまだあどけないこども達。
「表情が移りかわっていくさまが描きたい」とのこと。
同じおかっぱあたまの幼い少女。しかしその表情は
それぞれに違います。
夢中でほおばっている顔、夢見が悪いのか少ししかめっ面、
ひとり遊びしながらほほえむ顔、など。
まるでアルバムでこどもの成長記録を見ているような・・・。
「同じ顔は描きたくない」、と、いろいろな表情のこどもたちを
描き分けられています。

絵描きとして、表現者として


「海」 F0号


「赤い扉」 SM

先生は、2021年に100号、150号といった大作を集めて、
福岡アジア美術館で展覧会を催されました。
(前回の個展ブログです。)

http://blog.mizoe-gallery.com/?month=202104

しかし、今回は30号以下の作品で構成されていました。
その理由をお聞きしたところ・・・、
「小さな画面に描くということは、(大きなキャンバスに比べて)それなりの制約を受けます。
そもそも、3次元(現実)に存在しているものを2次元(キャンバス)で
表現すること自体、制約なんです。
その制約がある中でどれだけ自分の「いろ」が出せるか、にチャレンジしたかった。むしろ制約があるからこそ、隠し切れない自分の「いろ」が出る
と思っています。」

「作品の完成まで、粘るんですよ。積み木を積んでいくように。少しづつ
いろいろ足して。そうするとその積み木が突然崩れるんですね。
そして崩れた後に見えてくる色や線、形がある。
それを突き詰めていくことが表現することだと思います。」

先生の作品は、穏やかで優しく、そっと寄り添ってくれる一方、
孤独や哀愁、人生のほろ苦さなども感じさせます。
「絵描きとして表現すること」に対する真摯な姿勢が、
作品にも表れているのかもしれないですね。

お話の最後には、「まぁ、でも大きい作品もどんどん描きたいですね。」
と飄々とおっしゃっていました。

秋には東京店での個展が予定されています。ますます発展する城ヶ﨑悟先生の世界に、期待が膨らむばかりです!

【城ヶ﨑悟展】 
9月28日(土)▶10月14日(日)
会場:みぞえ画廊 東京店


またお会いしましょう!

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