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2022年の観光トレンド予測調べ

仕事に関連して、2022年の観光トレンド予想を調べた。自分の備忘を兼ねて、まとめておきたい。

ブッキング・ドットコムによる観光トレンド予測

2022年1月2日現在で、ネットで調べた限り、ちゃんとした調査をして観光トレンドを予測しているのはブッキング・ドットコムだった。

同社は昨年、31の国と地域にわたる、24,000人を超える旅行者へのアンケート調査を実施(うち、日本人は1002人)。

ここで見えてきたのは、以下の傾向だという。

1. セルフケアとしての旅行
2. 旅先では「仕事ゼロ」であることがポイントに
3. 初めての旅に行くような感覚を楽しむ傾向に
4. 旅先でのコミュニティへの配慮
5. 旅先での新しい出会いへの期待の高まり
6. 計画なしに旅先での滞在を楽しむ傾向に
7. 旅行業界におけるテクノロジーの利用増加

自分なりに重要だと感じた点は以下のふたつ。

まず第一に「ワーケーションはたぶん流行らない」ということだ。

コロナ禍において、リモートワークにより、自宅で過ごすプライベートの時間と仕事の時間の境目があいまいになってきている。こうした中、同調査では、日本の旅行者の70%が「2022年には休暇の時間は一切仕事をしない時間にしたい」と回答したということだ。

仕事を完全に忘れられるような場所が求められるのだろう。

もう1点は、「自分で決めて自由に動く個人旅行」が、コロナ禍でますます浸透するだろうということだ。

もともと、さまざまな旅行サービスの充実から、ツアー旅行よりも個人旅行を楽しむ傾向が近年強まっていたが、これがますます加速しそうだ。

また、「旅ならではの気ままな楽しみ」として、計画をあまりがっちり立てない旅行が増えそう、というのも面白い。おそらく、観光地経営をしている人たちにとっては、事前の情報発信はさることながら、観光地(観光案内所など)での情報発信をいかに充実していくかも重要になりそうだ。

観光庁の予算要求

一方で、観光庁は2022年度に向け、どのような予算要求を出しているのか?JTBのHPがわかりやすかったので、参照した。

今回は、前年度予算比3.3%増の425億3500万円の要求をしているので、政府としては引き続き、観光を重要産業として育てていきたいという意向だろう。

主な予算要求事項としては、以下。

・新型コロナ対策
・観光産業の再生と「新たな旅のスタイル」の普及・定着(22億2600万円、前年度比1.30倍)
・国内外の旅行者をひきつける滞在コンテンツの造成(22億1500万円、前年度比1.42倍)
・受入環境整備やインバウンドの段階的復活(126億3000万円、前年度比1.15倍)
・東日本大震災からの復興(8億円、前年度比2.67倍)

これらの中にはさまざまな項目が含まれるが、印象的だったのは、自然を積極的に活用していこうという姿勢だ。

「東日本大震災からの復興」では、今回、あらたに「ブルーツーリズム推進支援事業3億円」が要求されたという(そのため、金額が大幅に増えている)。

ブルーツーリズム推進には、海水浴場の受入環境整備、ブルーフラッグ認証の取得などが含まれる。

また、「受入環境整備やインバウンドの段階的復活」では、持続可能な観光推進モデル事業に4億5000万円が新規計上されている。

また、令和3年度の観光白書においても、「魅力ある観光地域とコンテンツ造成」で、アドベンチャーツーリズム、スノーリゾート、国立公園満喫プロジェクトなどが言及されている。

四国に注目

なお、欧米圏の人気ガイドブック「Lonely Planet」で「Best in Travel 2022」地域部門で四国が世界6位に選出された。

これは、「話題性や人を感動させる要素など独自の基準」で選ばれるということだが、以下の記事によると、「コロナからの人類の「癒やし」「新しい世界観」といったコンセプトで「四国遍路」がベストリージョンの大きな要素となった」とある。

密を避ける旅行先に期待が集まっているのは、こうしたところにも現れているだろう。

もっとも、これらは旅行業界人たちの期待含みもいくぶんかはあるだろう。実際の消費者(旅行者)がそのように動くかは分からない。

これからも、市場動向はしっかり見ていく必要があるだろう。

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