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Vol.003【衛星運用】ICEYE:小型レーダー衛星を用いた干渉法を提供

フィンランドのスタートアップICEYE社は、同一地点の複数のSAR衛星画像データを比較することで、ミリメートル級の垂直方向の変化を検出できることを実証しました。

<記事外>ICEYEとは

2014年にフィンランドで設立されたスタートアップ。超小型のSAR衛星を打ち上げ、運用している。SAR画像の提供では世界トップの実力派。
最近ではSAR画像を繋げ、動画としてのサービス提供も開始したことを発表していた。

2018年5月にはシリーズBの調達を成功し、トータル調達額は$52.7M(約55億円)にもなる。
ここではSAR衛星とは何かについては説明しないので、宙畑さんを参照してください。

<記事内容>干渉データを取得する手法

衛星干渉法と呼ばれてきた今回のプロダクトは、これまでは大型衛星のオペレータによって提供されてきました。例えば、Airbus Defense and Space社が、スペインの通信会社HideSatによるPAZ衛星コンステレーションの中で自社衛星TerraSAR-XやTandem-Xを運用し、4~7日かけて同じ地点を撮像することで提供していました。

オーストリアの宇宙機器開発Enpulsion社の電気スラスタを用いることで正確に地上を辿ることができ、100㎏未満の超小型SAR衛星1機で干渉データを取得しています。18日間連続で同じ地点を撮像します。

データセットを比較することで、ICEYEでは、地盤沈下や地下探索、小規模な地震などによって引き起こされる変化さえ分単位で検出できるとICEYE USのMark Matossian CEOはSpaceNewsに話しているそう。

2018年に世界で初めて小型SAR衛星を打ち上げたICEYEは、現在3機のコンステ―ションを運用中。

ICEYEは、今年の後半には干渉データの販売を計画しており、18日より短い間隔で観測するという。

干渉SARデータの提供には非常に正確な軌道制御が必要であり、ICEYEの衛星コンステ―ションの操縦技術の高さは正確性の高いデータの提供を可能にする、とICEYEのCo-Founder兼最高戦略責任者のPekka Laurilaは話した。

<所管>SAR画像っていくら?

ICEYEがイケイケなのは知っていましたが、果たしてこれがビジネスとしてどのくらい成立するものなのかは引き続きウォッチしていきたいと思います。
衛星データの利用者のニーズがどこにあって、そのニーズを満たす品質のデータを取得できて、かつ、お値段も見合う、というのはもう少し先になりそうな気がしています。

宙畑さんの記事で衛星画像の金額感については触れられています。


元記事

Iceye to offer interferometry with small radar satellites by Debra Werner — May 8, 2020

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