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初心者のためのDTMガイド

1. 音楽を聴く

「音楽を作りたい!」という人は音楽が好きで、いつも音楽を聴いていると思いますが、音楽を作るためには、似たような音楽を繰り返し聞くだけではなく、色々な音楽を聴くことが役に立ちます。ロック・ジャズ・クラシックの名曲を一通り聴いてみることは音楽制作の役に立ちますし、きっと楽しいと思います。日本の古典的な音楽や世界の民族音楽を聴いてみるのも良いでしょう。ビートルズもインドの音楽からインスパイアされました。

2. 楽器を弾く

楽器を弾けない人が音楽制作をすることは、とても難しいです。自分で実際に演奏することで、音楽がどうやってできているのかを自然に身に着けることができます。また、楽器を弾けることは、DTMでの音楽制作に直接役に立ちます。おすすめの楽器はピアノとギターです。ピアノは音源の打ち込みに役に立ちますし、ギターは生演奏を録音する場合が多いからです。

3. DAWを入手する

いよいよDTMでの音楽制作に直接関係のある段階に入ります。DTMを始めるには、まずDAWを入手しましょう。DAWを簡単に説明すると「音楽を演奏できる楽譜ソフト」です。DAWにマウスやキーボードで楽譜を入力し、再生ボタンを押すと音楽が流れる、という仕組みです。また、歌や楽器の演奏を録音し、それらを一緒に再生することもできます。

DAWは何種類かありますが、私は「Cubase」をお勧めします。その理由は、日本ではCubaseを使っている人が多いので、分からないことを簡単に調べられるからです。DTM初心者にとってDAWの性能の違いは重要ではないので、使いやすいことが一番大事です。
Cubaseにも複数のバージョンがあり、機能が少ないものはDTM機材のおまけとして無料で入手できますが、機能が多いものほど価格も高くなります。お勧めのバージョンは、有料の中で一番安価な「Elements」です。初心者には十分な機能を備えています。

実は、DAWだけでは音楽制作できません。DAWの機能を拡張する「音源」と「プラグイン」が必要になります。音源は色々な楽器の音を録音したデータベースで、DAWは音源を鳴らすことで音楽を演奏します。プラグインは音を加工する機能で、よく使われるのはイコライザー、コンプレッサー、リバーブなどです。
普通のDAWには、いくつかの音源とプラグインが含まれていて、それらを使えば一通りの音楽制作ができます(上の画像の右端に表示されているのが音源やプラグインです)。ですから、DTM初心者は音源やプラグインを買うことは考えなくて良いと思います。

4. 好きな楽曲を打ち込む

「さっそく音楽を作ろう!」と思うかも知れませんが、まずは好きな楽曲をDAWに入力してみることをお勧めします。なぜなら、
・楽曲を作るのも初めて
・DAWを使うのも初めて
という状態では、分からないことが多すぎて上手くいかないからです。それよりは、好きな楽曲を打ち込む方が、DAWの使い方を学ぶことに集中できるでしょう。基準としては、
・演奏時間が短い
・よく似たメロディやコード展開が繰り返される
・転調したりテンポが変わったりしない
ような楽曲を選ぶと打ち込みやすいと思いますが、一番大事なのは「その楽曲が好き」ということです。

5. よくある質問と回答

Q. ドラムやベースのトラックを作るのが難しい、面倒くさい
A. Cubaseの場合、ドラム音源の「Groove Agent」には色々なドラムパターンが収録されています。これをドラムのトラックに貼り付けるだけで、かっこいい演奏になります。ベースも似たような方法で作れます。

Q. 歌を録音したい
A. マイクとオーディオ・インターフェイスが必要です。オーディオ・インターフェイスというのは「PCとマイクや楽器を接続するための中継器」です。オーディオ・インターフェイスは、歌の録音以外にも音楽制作に役立つ場面が多いので、ぜひ入手してください。

Q. ギターを録音したい
A. エレキギターとオーディオ・インターフェイスがあれば録音は出来ますが、エレキギターらしい音にするためには「アンプ・シミュレーター」という種類のプラグインが必須です。多くのDAWには初めからアンプ・シミュレーターが入っていますし、追加で入手することもできます。

Q. 音源をマウスやキーボードで入力するのが難しい、面倒くさい
A. MIDIキーボードをオーディオ・インターフェイスに繋いで下さい。MIDIキーボードで演奏した通りに、音源の楽譜を入力できます。

Q. 制作した楽曲を良い音でチェック(モニター)したい
A. モニターによく使われるヘッドホンかパワードスピーカーを入手してください。パワードスピーカーをPCに繋ぐためにはオーディオ・インターフェイスが必要です。

Q. 音源やプラグインをDAWの外でも使いたい
A. 「スタンドアロン」で動作する音源やプラグインを入手してください。Cubaseの内蔵音源の「Halion Sonic」「Groove Agent」はスタンドアロンで使うことができ、MIDIキーボードを繋げば音源を鳴らせます。
色々な種類があるプラグインの中で、多くの人がスタンドアロンで使いたいと思うものは「アンプ・シミュレーター」です。AmplitubeやBIAS FXが人気です。パワードスピーカーをギターアンプの代わりにしたい場合は、これらのプラグインを入手することをお勧めします。

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