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『時代の試練に耐える音楽を』〜山下達郎のロングインタビューを読んで〜

山下達郎、大学時代によく聴いた。
海を見に行く時は必携。
今でも、だ。
自分のフェイバリット・ソングを集めたPlay Listにもいくつか入れている。

その達郎さん、11年ぶりの新譜に、
ロングインタビュー記事が掲載されていた。
「落ちこぼれ」だったと考えていたなんて
驚くばかりだが
やりたいこと、やらないことを明確にして
時代のうねりの中でも自分を貫いてきたカッコよさが
光っている。

音楽の聴き方にストリーミングが主流になりつつある時
私は個人的にとても抵抗を感じた。
音楽をコモディティとして消費するようになったとき
アーティストはどう生まれ、育っていくのだろう?
ごくごく一部のアーティストしか生き残れず
新人はリスナーの好印象を勝ち取る術を
どこに見出すのだろう。。。
そう考え、ストリーミングには
しばらく手を出さなかった。

達郎さん、インタビューでこう語っている。

『だって、表現に携わっていない人間が自由に曲をばらまいて、そのもうけを取ってるんだもの。それはマーケットとしての勝利で、音楽的な勝利と関係ない。本来、音楽はそういうことを考えないで作らなきゃいけないのに』

interview 6ページ目より

アーティストの声やメロディラインに好き嫌いが強い私は
音楽が無尽蔵に流れてくる環境には
辟易というか疲れてしまうことが多い。
だから、「表現に携わっていない人間が曲をばら撒く」という感覚に
そうだよね〜と思った。

とはいえ、自分の意図的なセレクションの外から
聴こえてくる曲に、突然ピン!とアンテナが立ち
初めてのアーティストをピックアップする
機会にもなるのだから、
そんなに身を固くして拒否しなくても
新しい時代の音楽の楽しみ方として
受け入れてもいいんじゃない?と思い直して
Apple Musicを始めた。

LPからCDへの移行のとき
当時持っていたLPは全て手放し、
達郎さんのCDは数枚が手元にある。

1番好きなのはアカペラの
On the Street Corner 2
これはよく聴いた。
今聴いてもスゴいと思う。

そして、新譜のSoftly。
ヤマザキマリさんが描く肖像画のジャケット
ちょっと微妙な気もするが。。。

こういう、軸のぶれない、息の長いアーティストの曲を聴くのは
自分の軸が揺らいでいるような気がする今
1番効く音楽療法かもしれない。

はい、予約しました。


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