『通電』
生活のぶれる音
無機質な温もり
糸を編んだだけの世界は
簡単に解れて終わる
生活を辞めたくなって
通電 断ち切って
少し立ち直ってしまう自分が
馬鹿みたいで 嫌だ
生活を辞めたくたって
あの子の悲劇の一部にしか
なり得ないこの命を
どうしたって愛せそうもないんだよ
繰り返す 繰り返す
悲劇と歴史の合間に
見出す喜劇はいたずらに
鮮やかな哀しみを奪う
生活を辞めたくなって
呑み込んだ錠剤と言葉
歩き慣れなかった靴で
踊れたら良かった
生活を辞めたくなって
通電 断ち切って
少し立ち直ってしまう自分が
馬鹿みたいで嫌いなのに
繰り返す 繰り返す
通電 断ち切って
波形を揺らす感情は
愛を忘れたわたしのようだ
繰り返す 繰り返す
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