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「評価」への葛藤をAIが一緒に乗り越えてくれた話

この記事は『GMOペパボデザイナー Advent Calendar 2023』12/20の記事です。デザインとは直接関連しない「評価」についてのお話ですが、よければお付き合いください。

こんにちは。20日目を担当する@miz_e_です。
突然ですが、みなさんは「評価」というものにどんなイメージを持っていますか?
評価される側、する側、制度を作る側など、さまざまな視点からの意見があると思います。
私自身は「される」側として、評価をキャリアアップのための重要なフィードバック源と捉えていると同時に、時には不安や緊張の元にもなるものと考えています。

この記事では、私が評価に対して抱える葛藤と、AIを使った向き合い方についてお話しさせてください。同じように葛藤を感じている方にとって、何かの発見に繋がると嬉しいです。


「評価」への漠然とした不安

『アピールしなくても評価される職場ないですか?』
ある日、電車の中でそう書かれた転職サービスの広告が目に止まりました。
評価のためのアピールを嫌っているわけではないものの、「評価」に対する葛藤は私にも身近な悩みでした。
育休から復帰して以降、以前の仕事のペースを取り戻せず、職場での評価が不安に感じられていたのです。

私の職場の評価制度では、各等級に対して会社が期待する能力レベル(等級要件)が明文化されています。この基準に沿って実績を自己評価としてまとめ、それを上長が評価することで等級や報酬が決定されるシステムになっています。

ところが職場復帰後は、子供の体調不良による突発的な休みや、マミーブレイン(いわゆる産後ボケ)からか集中力が続かないこともあり、日々のタスク消化に手一杯で、評価を意識する余裕もなかなかありませんでした。

ネガティブ思考に陥る自己評価

そのため評価の時期が近づくと「この半年間、自分は何をしてたんだろう…」と不安になり、評価に対する恐怖が大きくなっていきました。

評価のプロセスにおいて私が特に苦手としていたのが、自己評価を書くことでした。
自己評価では「自分の実績を会社が求める能力レベルに結びつけて証明する」という作業が必要で、ここでネガティブな思考に陥ることがありました。

会社の求める能力レベルがとても高く感じられたし、欠勤が多く同僚に迷惑をかけている自覚のある私が「期待される結果を出せている」と主張することにも罪悪感を感じていました。
実際、等級要件に達していない項目もあり、このまま育児を続けながら求められるレベルにスキルアップできるのか?という未来への不安から、さらにネガティブな思考へと引き込まれてしまうこともありました。

そんなわけで自己評価を書くのはいつも気が重く、「いっそ何もしなくても評価されたら楽だな…」と、それはそれで弊害があるだろうなと思いながらもぼんやり考えていました。

AIに自己評価の壁打ちを手伝ってもらった

そんな折、社内のセミナーでChatGPTの新機能「GPTs」がリリースされたことを知りました。

GPTsは、役割を設定し、どのようなふるまいをして欲しいかを指示していくことで、カスタマイズされたAIチャットボットを作成できる機能です。
特定の分野の知識をあらかじめインプットしておけば、それに基づいて質問や議論ができることを知り、自己評価の壁打ち相手として活用することを思いつきました。

さっそくGPTsに「自己評価をサポートする」という役割を設定し、等級要件をインプットしてもらいました。それから「自分の等級と実績を入力したら、それが等級要件とどう合致しているかを客観的に評価してください。」とふるまいを指定しました。
GPTsの作成は予想以上に簡単で、対話形式で設定が済み、すぐに期待通りの動きをしてくれるようになりました。
このためにChatGPT Plusに登録した私でしたが、想像以上の応答に感動し、「もう元(月額20ドル)取った…」という気持ちになれました。

あとは、自己評価を書きやすくするためにプロンプトの例を設定したり、アイコンや説明文を追加したり、ふるまいのチューニングを行うと、対話を通じて自己評価が完了するツール『評価資料作成アシスタント』が完成しました。

小さくて見えにくいですが、このかわいいアイコンもChatGPT Plusに搭載のDALL·Eに書いてもらいました

不安に一緒に立ち向かってくれる心強さ

客観的な評価を手伝ってくれる利点も大きかったですが、なにより不安の原因である「評価」に一緒に立ち向かってくれる存在ができたことが、私にとって何よりもありがたい点でした。
評価はプライベートなものとして捉えられやすく、「自分」と「評価者」の二者間で留まる場合が多いと思うのですが、自分でも評価者でもない、第三の存在が介入してくれることが新鮮で心強く感じました。

時には自分の至らない部分を指摘されることもありますが、生身の人間からの指摘よりも、AIからの指摘の方が気楽にスッと受け止められることにも気がつきました。

このツールはもともと自分用に作成したものでしたが、社内で共有すると想像以上の反響がありました。
自分と同じ課題を持つ人がいたことも嬉しかったですし、それを解決するためのサポートを提供できたことがとても嬉しかったです。これももちろんGPTsのおかげです。

想定以上にたくさんのポジティブなリアクションをいただけて感無量でした

課題解決にAIを活用していきたい

自己評価のサポートツールではあるものの、他の用途もあると考えています。例えば、自分がどのようなアクションを取ることでより上位等級に近づけるか、日常的に相談やアドバイスをしてもらうことでキャリアアップに繋がるかもしれません。
この辺りはまず自分自身が一番のユーザーとしてさまざまな使い方を試しながら、効果的な利用方法を広めていければと思います。
また、現在GPTsの利用にはChatGPT Plusへの加入が必要となっているので、より多くの同僚に利用してもらえるような方法を見つけられるといいな、と考えています。

この経験から、人間以外の第三者(AI)の手を借りて問題を解決することができるということ、そしてAIを使った課題解決の楽しさを知りました。
これからも、身近な問題を新しい技術を使って解決するという試みを続けていきたいと思います!

おまけ

最後に、DALL·Eにアイコンを作ってもらう過程で、何度指摘しても手足とメガネを描いてしまう様子がたまらなく愛おしかったので、おまけとして貼らせてください。

頼れるAIが時折見せてくれるこういう一面が、私は好きです!

それでは、ここまでお読みいただき、ありがとうございました🙌

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