オタク借金街道⑧ 〜2年前前半〜

2年前
4月〜8月
夏前までのことだったかどのあたりだったかもう記憶はない。
毎月、支払い金額が確定した後に分割をネット上で希望するのだが、ふと忘れてしまったことがあった。
1ヶ月の請求が40万円を超えてしまった。
そんなの返済できるわけがない。
M社に審査の電話をしたとき、ふとオペレーターの人が言ったことを思い出した
「うちで借りたお金をA社さんの返済に使ってくださっていいんですよ」と。
私はすぐにM社のATMへ行き、上限の残り30万円を借りてきてしまった。
A社からは上限の10万円を借り、40万円の返済はクリアできた。
クリアしていないのだが、クリアできた。
もう借りられる消費者金融はなくなってしまった。
同人活動の方はフォロワー数が五桁手前まで延び、とても楽しかった。
五桁と言っても3つのジャンルで始まったばかりのときに漫画をupしていたのだから、最初の食いつきはいいものの、最新のジャンルのイラストへ反応をくれるフォロワーは三桁もいなかった。
それでも、とても満たされていた。
6月、高額の住民税と国民健康保険料の請求が来た。支払えるわけなかった。

9月
自転車操業と借金が雪だるま式に膨らんでいったこともあり、ついに返済ができなくなってきてしまった。
年収の三分の一のお金が借りられるというざっくりした知識があったため、職場を夜働いている居酒屋にして2年前に断られたプ◯ミスへ相談することにした。
オペレーターの女性から辛辣な言葉をもらい、電話しながら泣いてしまった。
審査には落ちた。

次にF社へお金を借りられないか相談をしてみた。
F社からは16万円借りられることになった。
おそらくこの中途半端な金額は、消費者金融で借りられるお金の限界なんだろう。
もう、これが底を尽きたら破産するしかないと思った。
返済を滞ったこともあり、コンビニの方へ電話がかかってくることもあった。
学生アルバイトの子は「ストーカーですか〜?」なんて言っていたけれど、そんなことはない。

10月
この辺りでまた、魔の手があった。
夜働いていた居酒屋がランチも含めたカフェにするとのことだった。
掛け持ちするにもハシゴをやり辛い時間のシフトだったりしたので、お世話になったのに申し訳ないが、コンビニは辞めることにした。
夜、居酒屋に入らなくてよくなったため、また、フォロワーと遊ぶ毎日が始まった。
多い人で月に数回会うため、毎度違う服と違うカバンを用意した。中古品なので衣料費で毎月1万もしなかったが、ハイブランドを持つことがステータスではあった。
今思い返せば、何を見栄張っているのかよくわからない。
でも、とても楽しかった。

11月
早いもので限界を感じ始めていた。
無駄遣いは辞めようと、このあたりで気付いた。
もう、遅かった。

12月
冬コミに落ちたこともあり、新刊の予定はなかった。
年末にたくさんのフォロワーと忘年会の約束をしており、出費の予定もたくさんあった。
とにかく今月の支払いをクリアすれば、11月は抑えたので生きていける。
リボ払いというものがよくわからなかったのだが、何でもいいから助けてくれと連打した。
支払いが済んでいるかどうかを確認する前日は12月というのに全身冷や汗と動悸で深夜に目が覚めた。
それほど追い込まれていた。
なんとか分割により請求は8万ほどだったため、12月はクリアできた。
不安いっぱいだったが、年は越せた。


2年前後半に続く