オタク借金街道⑦ 〜3年前後半〜

7月
10年以上使っていたノートパソコンがついに動かなくなってきた。
今思えばよく10年もののパソコンで原稿作成していたなとは思う。
新しいパソコンを買わねばならない。予想外の出費だった。
そして同時に来月の原稿のためにフォロワーたちとSkypeで通話をしていたときだった。
「◯◯さん板タブなんですか!?」「ノートパソコンなんですか!?」
ほとんどの人に驚かれた。
「液タブだと作業効率上がりますよ」「デスクトップ型の方がいいですよ」
今はみんなデスクトップに液タブを持っているのかと思ってしまう流れだった。
私はその週末に急いで新しいパソコンと液タブを買うことにした。
合わせて25万程だった。支払える訳がないので、わけもわからずボーナス払いにしてしまった。

8月〜12月
仕事と原稿の両立はできていた。
また、春に始めた新しいソシャゲで知り合ったフォロワーとの交際もうまいことできていた。
オシャレな人をずっと演じていた。
毎月の支払いは24回の分割支払いにしていた。
また、A社で借りたお金を毎月6000円ずつ返済していた。
高額な海外出張費は現金化し、現金が必要なこと(家賃、即売会、ゲーセン)で使っていた。

8月から1〜2ヶ月に1度のペースでイベントはあった。
毎度、新刊を仕上げ、相当な部数を印刷していっていた。
反応は前ジャンルほどでもなかったが、それなりにあった。小さなイベントではあったけれど、壁配置になったこともあった。
匿名の方で何度も配置されたように見えてしまったが、そういうわけではなく、列は一人で捌けるほどの小さなイベントで、ひとりでなんとかできる程度の壁だった。
冬コミには参加はしなかった。
お金はなかったが、何の不自由もなく、年は越せた。

1月
ボーナス払いの請求がやってきた。
支払えるわけがない。
15日、カードは止められてしまった。まずい、信用に傷が付く。
信用情報に傷ということが怖く、どこか借りられる消費者金融はないか探した。
即入金してくれるというM社へ電話をして30万円を借りることにした。
カード会社へは「すみません、給与が振り込まれておらず口座に残額がなかったみたいで」と電話した。
嘘バレバレだろう。
借りたお金を口座に入れ、ボーナス払いと月々の支払いを引き落とされ、20日くらいにはカードが復活した。

1月〜3月
引っ越してから2年が経過しようとしていたとき、賃貸の更新というものがあることを知った。
そこまでいい家に住んでいなかったと言っても、当時の私にとっては大金であった。
この頃には毎月の支払いが15万円くらいにまで膨らんでおり、それにプラス、A社へ6000円、M社へ8000円の返済も行なっていた。
家賃の更新はその月の家賃込みで約20万円だった。
A社へはATMにて返済していたのだが、
その際「毎月ちゃんと返済してくれていたからあと30万円も借りられるよ」みたいな文字が見えた。
まさかと思い、20万円引き出したところ、すんなり借りられた。
家の更新は無事に完了した。
この時点毎月返済しているといっても利子もあり、A社からは約50万円、M社からは約30万円借りていた。
分割は合計するとどのくらいなのか、正直計算することが怖かった。


2年前に続く