オタク借金街道⑥ 〜3年前前半〜

3年前
4月
コンビニバイトのことを伏せたいのもあったが、新しく始めたソシャゲが楽しく、仕事を紹介してくれたフォロワーとは仕事以外では疎遠になっていた。
そのソシャゲのイラストや漫画をUPすると、またフォロワーが増えた。気の合いそうな人とは相互になり、リプの送り合いも増えていった。
「本は作らないんですか?」
よく聞かれたので、調子に乗り次のオンリーイベントには参加することにした。

このあたりだったか定かではないが飲み会で
「◯◯行きたい〜」と言うとフォロワーAとBが「えー!お金ないから今度にして!」「給料入ったらね!」と言ったことがあった。
そしたら別のフォロワーCが「君たちいつもお金ないって言って行かないじゃん!」と言ってきた。
自分もお金がない人と見られていることがショックだった。私は1度も「お金がないから無理」とは言ったことがなかった。
お金はなかったのだが。
後日、Cと◯◯へ行くことにもなった。Cの前では余裕のある人間を演じていた。
するとAが飲み会だったりコラボカフェなど行くときに「今回っておごりでもいいですからね〜」なんて言い出し始めた。
危ないと思い、Cと共にAとの縁を切った。初めて相互フォローを切ることにした。
このあたりから仲良しフォロワーグループに亀裂が入り始めた。Bとも自然と疎遠になってきた。

5月
フォロワーが紹介してくれる仕事は大掛かりなものしかない状態だった。
コンビニ1本だと厳しかったので、近くの個人経営の居酒屋の面接を受けることにした。
その前にそんなにも休みがあるならば、一つだけやっておきたいことがあった。プチ整形だった。
両目5万円の手術を受けた。親も気付かないほどの手術だったので、はっきり言って変わっていないのだろう。一重からよく見たら奥二重かな?という目になった。長年の悩みは消えたので、後にもこのお金だけは後悔していない。
腫れも翌日くらいまでだったので、5日後に仕事も再開した。
誰も気付いていなかった。
そして面接結果もありがたいことに即採用だった。

6月
朝はコンビニ、昼はデザイン、夜は居酒屋と3つの仕事をしていた。
新しく始めたゲームは楽しかった。
ガチャが渋いで有名なソシャゲになっていて、既に配信から3ヶ月で引退する人もいた。
また、今までハマっていたゲームと違うところは、最高金額が一口一万円の課金だった。
親指で操作するだけで一万円消費されるのだ。
(今更だが、ブラウザゲームは1度も課金をしていない)
以前まで月に2回の課金をしていたのが、今、同じように月に2回すると単純計算2万円の出費だった。
旬なジャンルということもあり、参加するイベントの同人誌も、かなりの冊数が必要だった。分割払いにしてでも刷って持っていった。
フォロワーからの依頼の仕事はほぼなかったのだが、ここで実家近くの出張があったため、1年ちょっとぶりに実家へ帰った。
母を待っている間に見ていたドラッグストアでは、店員さんからはたくさんのサンプルを貰った。
今まで相手にされたことすらなかった。どれだけ芋女だったのか。
そして住民税や保険料の請求が来たが、前年働いていない状態だったので、大した額ではなく、一括で払った。


3年前後半へ続く