飽き足らず

お話を。友人と趣味と夢について。

 高校時代の友人が、YouTubeなるものをやっている。最近多少の収益も見込めるようになったらしい。一方で、もう長いこと実力を認められているお笑い芸人もまた、最近YouTubeでの活動を本格的に始めた。友人とそのお笑いコンビのチャンネル登録者数はほぼ同数。どちらに対してもなんだか腑に落ちない気持ちがあった。でも別に、今現在畑の違うお笑いコンビの登録者数の少なさも、友人の登録者数の多さも、どちらも自然なことなのかもしれない。少なくとも、友人と言っている以上私が好感をもっている相手であることは明白なように、その子にもうまくいってほしいと思っている。両者どこかに辿り着け。

 それで、ここまでの話で察しがつくように、私は子どもの頃からお笑いが好きだ。テレビというものが未だに好きだし、バラエティ番組やネタ番組も好きだ。ここのところ、やっと次の世代がメディアに注目され始めた。夜中にカメラ慣れしていない若手芸人たちがコントを繰り広げているのをとあるきっかけがありみていた。そこには、私の憧れた姿があった。お笑い好きなら一度はステージに立つ自分を想像したことがあるのではないだろうか。私にも例に漏れずそういった部分があった。夢として親に語るでもないが、そういう願望があった。それが薄れて、音楽等への憧れに変わったと感じ、ドラムを叩いてみたりしていた。

が、昨夜、いつぶりかにネタを書いた。ここ数日、ずっと書きたいと思っていた。思っていただけで、何かが浮かぶではなかったけど。それでもスマホのメモ帳を開いて、打ち込んだ。その、「間」が大事そうな台本を、私が誰かと演じきれるかと不安に思いつつ。だがそもそも、私に舞台に立つ予定はない。それでも書いたのは、書きたかったから。

 私を動かした衝動は?私を突き動かしたのは、憧れの根底にある、私にもできそうという思いだった。それは、同じ台本を他の人が演じたら生じてしまうかもしれないクオリティが、若手であることによって抑えられていたせいだ。もしかしたら台本を書いたのも若手なのかもしれないが、私にそこまで知る義務はない。

 いつしか好きだということも当たり前になって、羨望に変わってしまった。あの人たちは面白いし好きだけど、みているだけでお腹が満たされる。近づけたって渡りあえない。だからね、憧れと軽視。思い出せたお陰で今日もいい夢がみられた。

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