ノットオンリーセオリズム

 着たい服を着たいときに着られるだけで、それだけで幸せになれる。人生なんて案外そんなもんだ。だけどそれだけのことがいつだってできなくてストレスが降り積もる。人生なんてそんなもんだ。

ねぇ今、何でお前如きが人生語ってるんだって思ったでしょう。いいの、いいのよ。だってその通りだもの。でもね、あなたが私を馬鹿にする権利を有するのと同じように、私如きにさえも数多の権利が保証されているの。まぁそれもただ、文面上ではの話だけどね。

 会いたいときに会いたい人に会えたって、幸せとは限らないの。だってその人の手には予期せぬ猫の手が絡まっているかもしれないし。それに実は猫は私のほうなのかもしれないから。そうだとしたら気付かないのが唯一の、傷付かない術なのでしょう。

 不本意な行為を寂しさのせいにしていたけど、寂しさなんて君の匙加減。つまり全部は君だけのせい。君の人生に責任を取らない君なんかのために歌を書くなんて彼も恥知らずね。でもその歌を生の支えにしてしまった私も、知らないままの仏ってやつ。知ってしまったら仏は天で神にでも会えるのかしら。なんて、無宗教を気取った尻軽女は今日も世界に満足気。ああイヤだな、君なんて。私みたいで気持ち悪いし、見ていて嫌いになれなくてきらい。

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