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たまには私の話でも

 聞いてくださる?まぁ、はーい。と言われずとも話しますけどね。ライター、エッセイスト、コラムニスト、小説家。字を書く仕事がしたいのですけれど、文章を書く仕事にも色々とありますわね。ライターと一口に言ったって、それだって多種のジャンルに渡る訳ですから。求められる記事、SEO対策だのなんだって、そういう世界も足を踏み入れると大変だそうですね。雇われるにしたって、仕事を奪いに行くにしたって、どちらにも気苦労はあることでしょう。

 そういえば、世の中には音楽というものが沢山あって、つまり作詞をしている人もいっぱいいる訳ですけれど、作詞家一本で食べて行くのは相当難しいらしいですね。ああ別に歌に限ったことではなく、詩で食べて行くことも困難だそうですよ。そういう生き方をしてみたかったけれどそもそも、曲に歌詞を付けるにも体力が必要ですから。お前にできるのか?って話ですよ。実績なんてありませんし。まぁそんなもの誰の目に映るのか知りませんけれども。

 こうして用意された部屋に閉じ篭って、これは一応非肉体的な話ですけれど。ここに引き篭って、それで生活を成り立たせたいなんて、戯言なのでしょう。そんなことは幾らだってわかっていますよ。でもわかっていてもどうしようもない気持ちってあるでしょう?恋かしら、これ。なんて冗談も言ってはいけないのなら、私のこの口を塞いでくださればいいのに。決してかかわり合いになろうともしない癖に、気に食わないことは許せないなんて、現代人も大変ですこと。

 他人に求めてばかりいないで、お前から与えてみたらどうだと、あなたは言いたくなるかもしれません。ああそんな、ぐうの音も出ませんわ。でもそれでも私には私の生き方があるのです。あなたにあなたの生き方があるように。それを私は絶対に否定なんて致しません。それが私を傷つける生き方だったとしても、否定なんて致しませんわ。

 前にも似たようなことを言ったかもしれないけれど、ジャンル分けなんて、受け取る側のエゴでしょう?だから何がエッセイで、何が小説に分類されるのかだって、私にとっては曖昧だったのです。だからあなたに決めてもらいたかったのです。でもそのためにはあなたの目に触れなければなりません。でなければ何の話にもなりません。ですがそれこそが一番、難しいことのように思えました。だってそうでしょう?全人類が私を知りさえすれば、私はもっとどうにか、何というか、幸せとでも言いましょうか。そういう感じを得られると思うのです。私を好いてくれる人や嫌ってくれる人がもっともっといてくれたならば。でもそれを望むなら、まず私が全人類を知らねばなりません。そんなの途方さえ明けてしまいそうで可笑しいですね。でもこの部屋には今、私とあなたっきりですから。向き合ってお茶でも、飲み交わしましょう。私たちの明日のために。

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