白さ

 いつだってそうだ。別れたいと思ったときに限って別れられない。会いたいと思ったときにさえ会えないのに。でも本当は別れる気なんてないから別れられないことも知っている。じゃあそれなら会いたいと思ったのだって嘘だったならいいのにね。揺れる意味もなくただ揺れるのは私が私を慰めるためで、意味もなく笑うのは誤魔化しで、また意味もなく泣くのは惰性かただの困憊である。

バスに揺られても電車に揺られてもただちょっと悲しいだけだ。いつもなんとなく苦しいだけだ。どうせどちらにも受け容れられないなら、どちらのことも知らないままでよかったけれど、それじゃあつまらないらしい。つまるところに続きなんてないから、この眠気もただの汚れ。だけど漂白剤は妙に臭くて、頭が痛くなってしまうな。

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