チェンジ

「相変わらずだね」

そう言われたけど、変わらないほど僕の相をお前は知っていなかったよな。勝手に捲し立ててくる奴は、至って関わりも興味もない輩だから、皮肉さえ摘めなくてやるせない。

「そっちは変わったね」

そうかこれを待っていたのか。どうだい満足かい?昔は何にでもキャーキャー騒いでいたのに、随分と大人しくなったね。なんて、自分が妥協で発した社交辞令に合わせてしまう器用な思考回路が怠い。

「ねぇ、幸せになれた?」

そうか、僕は不幸だったのか。君から見ればそうだったのか。気づいてはいたけど、でも僕は不幸じゃなかった。そして今も相変わらずだ。

「君は?幸せ?」

「昔よりはね」

ああそう、興味ないよお前が僕に思っているように。慰めて欲しいのか祝って欲しいのか、幸せに不満足なのか。それでも昔みたいに君に盲目ではなくなってしまったから、だからごめんね。

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