死にたいのに殺されたくない新人類

 月に幾ら稼げば、許してもらえるのだろう。いつもそんなことばかり考えている。大体許してもらう必要もなければ、それを乞う相手もいない。私は一体、誰に許してもらえないのだろう。誰を傷つけたというのだろう。

人間が労働をする時代はもうすぐ終わると聞くが、それは本当なのだろうか。労働と呼ばれる過酷なことは機械に任せる時代が、現実にもうすぐそこまで来ているのだとしたらそれはつまり、私が人間ではなくなってしまうということなのかもしれない。私がそうやって人間を失格して機械になったらやっと、私は私を許せるのだろうか。

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