スターなんていない

 憧れのスーパースターのステージをみて、あの人は実在しているんだとか、ちゃんと人間なんだなとか思ったことのある人は多いだろう。見たにも関わらず次の瞬間から、存在を疑ってしまう人もいるだろう。

 スターは、私たちが作るものだ。私たちの希望であり期待の対象だ。誰かをそう認識しただけで、脳はあらゆる加工技術を駆使して、スターを育成する。

 一方で、多くの人は自分もそうでありたいと、自分だってスーパースターになりたいと願う。それはかつてスターに夢をみた自分のためで、若者のまだ見ぬスターを担うためだ。

 でも例え誰かのスターになっても、自分をそうだとするには相応の覚悟を要する。はて、自認したらスターなのかもしれないし、そんな単純なことではないのかもしれない。

だからこそいつか星になるのか、それともただの灰になるのか。どちらでもいい。だけど選べるならば、やっぱりスーパースターになりたい。

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