足踏み

 今日をあなたのせいにしたい。口から零れる言葉はいつも陳腐で、何かに一方的に縋っているだけだから自己嫌悪。まだ明るくなったばかりの朝にその日を呪うくらいなら、他にもっといい生き方があるはずなのに。息苦しくたって生き続けるくせにいつも嘘と言い訳となりふり。形ばかりを気にして中身は見ないまま。それでも孤独は耐え難いから愛して?って流石に冗談でしょう?ひとつも笑えない。

 でもそうね、今日もあなたがいてくれると思ったから、今日もまた会えると思ったから、あなたに転嫁しようとしたのよ。それくらい信じてる、それくらい会いたいの。今日をあなたのせいにしたい。その願いが、願いだけで終わる今日の虚しさを、一昨日知ってしまったから。だから空に、願っているの。でもまぁ別に、もういいかもな。何かもう全部、どうでもいいし。

 忘れたいと祈ったのも昨日だけだったし、思い出そうとしたってつまらなかった。あなたも私のせいにしているといいけど。だけどどうせあなたにはそんなことできないから、最低な私は毛布を殴る。エアコンのリモコンを消す度に探す。そんな無意味にも価値があったのに。そんなこと今さら思ったって無価値。だからやるせない。だけど息は続く。

 今日も私のせいにして?指を組んで水に祈ったけれど、私の願いは掬われない。

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