ねがい

私の中で私と私以外の誰かが闘って、そして私が負けてしまったときに、ちゃんと私を慰めてあげられる自分でいたいと、強く思った。だけど、それは口に出すと嘘になってしまうような真実だから、私は私を騙すみたいに、何にも気づいていないフリをした。自分についた嘘はこびりついて取れない。そうやって嘘は私の本体になって、真実になって、私は消える。消えてしまった私を覚えているのはあなただけ。だから私はあなたのことを好きでいたいの。だけどそのあなたが一体誰のことなのかすらわからないから、くやしい。それでも、私は死にたくないし、あなたには生きていてほしい。

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