憧愛の午前5時

 いつも、あなたが踊っている、その140秒の間私は蚊帳の外だから、早く終わることばかりを願う。祈るけど、140もの時間を他人として過ごすのはとても寂しい。今すぐあなたを抱きしめたいのにそんなことできなくて、叶わぬ恋に焦がれているみたい。切なくて胸が痛むけど、1秒たりとも愛は我慢できなかった。

 抑えきれないから手を伸ばしてみたけれど、あなたは遠ざかっていく。そればかりか、靄がかかって見えなくなってしまった。不安で不安で仕方がないのに、ほんの少しだけホッとする。

 あなたなんて生まれてこなければ、こんなに苦しむこともなかったのに。ふたり、生まれ落ちた時点で出会いは免れなかったの。だからあなたを好きになったのに、愛されたのに、この仕打ち。怖い、痛い。苦しい、悲しい。ごめん、嫌い。ねぇ愛してる。

 

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