誰が今日

 いつもは壁一面にびっしりの電車広告が今日はぽつんとしていて、まるで私の孤独を助長しているみたい。滲んでもいない涙が零れる無駄な心配をして見上げると、そこには色とりどりの広告が掲げられていた。そういえば私の孤独、個人の孤独なんて今に始まったことではないと思い出して安心して口元が緩んだ。

 今隣に座って携帯ゲームをしている顔を見ることさえない誰かは、電車では日常茶飯である史上最短距離に及ぶこの他人は、未来になにをみているだろう。わかるはずもない、けどそれよりも難しいのは自分の未来やらと向き合うことだった。なんてったって自分の未来には答えが生じてしまうからね。結局、行き着いた先が答えになる出来レースなんだけど。

 そういえばさ、どうでもいいんだけど、昔からどうでもいいからって雑に接している変な奴に、変に好かれたりしてしまうの。あれ、なんなんだろうね。話す度にイライラするのにヘラヘラ近づいてきて下らないことばかり言って満足していたあの屍にもなれない彼らは、なんなんだろう。何に自信があってまたいつか、話しかけてくるのだろう。

 人に同調を求められるとね、知らねぇよ。って思っちゃうの。〜じゃない?って、頷くのを待っているけれど。どう返事をしても本体には届かないから、答えなんてどうだっていいのに。いいのに、クソ真面目に答えてしまうの。とっても、自分の無駄遣いでしょう?

 あーしたてんきになあれ!なんてもう今さら願わないから、せめて飛ばされた靴が今日の内くらいは無事であれ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?